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発行日時
2018-7-6 23:23
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6年半の景気拡大を示す景気動向指数とようやく賃金上昇が始まった毎月勤労統計!
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本日、内閣府から景気動向指数が、また、厚生労働省から毎月勤労統計が、それぞれ公表されています。いずれも5月の統計です。景気動向指数のうち、CI先行指数は前月比+0.7ポイント上昇して106.9を、CI一致指数は▲1.4ポイント下降して116.1を、それぞれ記録しています。また、毎月勤労統計のうち、名目賃金は季節調整していない原数値の前年同月比で+2.1%増の27万5443円に上昇しています。まず、日経新聞のサイトから記事を引用すると以下の通りです。

5月の景気一致指数、4カ月ぶり低下 輸送機器関連など悪化
内閣府が6日発表した5月の景気動向指数(CI、2010年=100)速報値は、景気の現状を示す一致指数が前月比1.4ポイント低下の116.1となった。低下は4カ月ぶり。市場予想の中央値(1.4ポイント低下)と一致した。輸送機械の生産や出荷が軟調だったことが響いた。
指数を構成する9系列のうち、速報段階で算出対象となる6系列が指数を押し下げた。前月まで好調だった輸送機器の動きが鈍り、鉱工業生産指数などが落ち込んだ。
内閣府は一致指数の動きから機械的に求める景気の基調判断を「改善を示している」に据え置いた。同表現は20カ月連続。
数カ月後の景気を示す先行指標は0.7ポイント上昇の106.9となり、2カ月連続で上昇した。景気の現状に数カ月遅れて動く遅行指数は1.5ポイント上昇の118.8だった。
CIは指数を構成する経済指標の動きを統合して算出する。月ごとの景気動向の大きさやテンポを表し、景気の現状を暫定的に示す。
実質賃金1.3%増 5月、1年10カ月ぶり高水準
厚生労働省が6日発表した5月の毎月勤労統計(速報値、従業員5人以上)によると、物価変動の影響を除いた実質賃金は前年同月から1.3%増えた。1年10カ月ぶりの高水準だ。人手不足で人材の確保が難しいなか、つなぎ留めるために給与を引き上げている。
名目賃金にあたる1人あたりの現金給与総額は2.1%増の27万5443円。伸び率は14年11カ月ぶりの高水準となった。内訳をみると、基本給にあたる所定内給与は1.5%増え24万4175円となった。残業代など所定外給与は1.6%増、ボーナスなど特別に支払われた給与は14.6%増加した。
賃金が上昇したのは、名目賃金のなかで比重の高い基本給が増えているためだ。厚労省は「特に正社員で基本給が引き上げられている」と指摘する。5月に入り、ベースアップによる賃上げなどが寄与したとみられる。
春季労使交渉による賃上げの効果が浸透するのは6~7月になる。連合の集計によると、賃上げを要求した企業の労使妥結は5月末の時点で約8割。妥結時期に応じて7月ごろまでに賃金に反映される見込みだ。

いつもながら、包括的によく取りまとめられた記事だという気がしますが、2つの統計を並べると長くなってしまいました。続いて、下のグラフは景気動向指数です。上のパネルはCI一致指数と先行指数を、下のパネルはDI一致指数をそれぞれプロットしています。影をつけた期間は、毎月勤労統計のグラフとも共通して、景気後退期を示しています。

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景気動向指数について、CI一致指数を中心に見ると、今年1月に前月差▲3.9ポイント下降してドカンと落ちた後、2~4月は前月からプラスを続けた後、5月は前月差でマイナスとなりました。5月統計については、耐久消費財出荷指数、投資財出荷指数(除輸送機械)、商業販売額(小売業)(前年同月比)、鉱工業用生産財出荷指数がこの順で大きなマイナス寄与を示しました。7か月後方移動平均の前月差は今年2018年に入ってからプラスとマイナスが交互に出現しており、偶数月がプラスで奇数月がマイナスとなっています。特に、今年2018年1~3月期は景気の踊り場で、やや軟調な経済指標が続いたわけですが、4月からはそれなりの景気回復軌道に復したように私は感じていたんですが、まだもう少し時間が景気回復軌道への回帰にはかかりそうな気もしますし、同時に、景気拡大局面が長期に継続して自律的な景気の成熟化の段階に差しかかっているのかもしれません。もちろん、貿易戦争のとば口に立ったかのような海外経済の先行きも気にかかるところです。いずれにせよ、機械的に求められる基調判断は20か月連続の「改善」で据え置かれており、4月まで景気拡大が続いているとすれば、2012年11月を谷とする現在の景気拡張期間は66か月、すなわち、5年半に達したことになります。

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続いて、毎月勤労統計のグラフは上の通りです。上から順に、1番上のパネルは製造業の所定外労働時間指数の季節調整済み系列を、次の2番目のパネルは調査産業計の賃金、すなわち、現金給与総額ときまって支給する給与のそれぞれの季節調整していない原系列の前年同月比を、3番目のパネルはこれらの季節調整済み指数をそのまま、そして、1番下のパネルはいわゆるフルタイムの一般労働者とパートタイム労働者の就業形態別の原系列の雇用の前年同月比の伸び率の推移を、それぞれプロットしています。いずれも、影をつけた期間は景気後退期です。上のグラフのうちでも、一番上のパネルの所定外労働時間は鉱工業生産の動向と整合的です。引用した記事にもあるように、毎月勤労統計で注目すべきは、最近では、賃金なわけですが、季節調整していない原系列の統計の賃金指数で見て、今年に入ってからかなり力強く前年比プラスを続けているのは事実ですし、今年2018年3月に続いて5月にも+2%の上昇率に達しています。上のグラフの中でも、賃金に関する2枚のパネルは、昨年後半あたりから増加幅が大きくなっていることが読み取れると思います。日本経済がデフレを脱して物価が上昇し始め、それにつれて賃金も増加を始めることにより、いわゆる経済の好循環の中で解決されるんだと私は認識しているんですが、いかんせん、ものすごく長いタイムラグを持っているようで、なかなかそういった経済の好循環が目に見える形で明らかにならない恨みはあります。



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