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発行日時
2018-6-12 22:56
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堅調な企業マインドを反映する法人企業景気予測調査と石油価格につられて上昇幅を拡大した企業物価!
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本日、財務省から4~6月期の法人企業景気予測調査が、また、日銀から5月の企業物価 (PPI) が、それぞれ公表されています。法人企業景気予測調査のヘッドラインとなる大企業全産業の景況感判断指数(BSI)は1~3月期の+3.3の後、4~6月期には▲2.0とマイナスを記録していますが、先行きについては、7~9月期は+6.9に、また、10~12月期は+7.9と、それぞれプラスに戻ってそのプラス幅を拡大すると見通されており、他方、企業物価(PPI)のヘッドラインとなる国内物価の前年同月比上昇率は+2.7%でした。まず、日経新聞のサイトから記事を引用すると以下の通りです。

4-6月の大企業景況感、マイナス2.0 7-9月はプラス6.9
財務省と内閣府が12日発表した法人企業景気予測調査によると、4~6月期の大企業全産業の景況判断指数(BSI)はマイナス2.0だった。マイナスは4四半期ぶり。前回調査の1~3月期はプラス3.3だった。
先行き7~9月期の見通しはプラス6.9となった。4~6月期は大企業のうち、製造業がマイナス3.2で、非製造業はマイナス1.4だった。中小企業の全産業はマイナス10.6だった。
2018年度の設備投資見通しは前年度比5.4%増だった。設備投資見通しは前回調査では6.5%減となっていた。
景況判断指数は「上昇」と答えた企業と「下降」と答えた企業の割合の差から算出する。
5月の企業物価指数、前年比2.7%上昇 原油高が押し上げ
日銀が12日発表した5月の国内企業物価指数(2015年=100)は101.1で前年同月比2.7%上昇した。前年実績を上回るのは17カ月連続。上昇率は4月の確報値(2.1%上昇)から拡大し、1月以来の高水準だった。原油価格の上昇を背景に石油・石炭製品が値上がりし、全体を押し上げた。前月比では0.6%上昇した。
原油高で電力・都市ガス・水道のほか、化学製品の価格も上昇した。アルミニウム価格の上昇でアルミニウム合金など非鉄金属の価格も上昇した。
円ベースの輸出物価は前年同月比で2.4%上昇した。前月比では1.1%上昇した。輸入物価は前年同月比で6.5%上昇した。前月比では2.7%上昇した。
企業物価指数は企業同士で売買するモノの物価動向を示す。公表している744品目のうち前年比で上昇したのは401品目、下落したのは254品目だった。上昇品目と下落品目の差は147と4月(確報値)の124品目から増えた。

いつもながら、包括的によく取りまとめられた記事だという気がします。次に、法人企業景気予測調査のうち大企業の景況判断BSIのグラフは以下の通りです。重なって少し見にくいかもしれませんが、赤と水色の折れ線の色分けは凡例の通り、濃い赤のラインが実績で、水色のラインが先行き予測です。影をつけた部分は景気後退期を示しています。

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まず、繰り返しになりますが、統計のヘッドラインとなる景況判断BSIについては、4~6月期には▲2.0とマイナスを記録しました。前回調査から4~6月期にはプラス幅を大きく縮小させる元の予想されていましたし、先行きについては、7~9月期は+6.9に、また、10~12月期は+7.9と、それぞれプラスに戻ってそのプラス幅を拡大すると見通されているわけですので、ハードデータ的に1~3月期の景気が冴えなかったのがマインドのソフトデータに反映されたのではないかと私は受け止めています。その他のマインドデータで興味あるところは、まず、6月末の時点における雇用に関しては不足超が大企業で18.8%、中堅企業が33.1%、中小企業が29.5%となっており、製造業と非製造業の差は大きくありませんが、規模別には中堅・中小企業が大企業に比べて採用に苦労しているのが読み取れます。また、設備投資計画については、全規模全産業でソフトウェアを含み土地を除くベースで、前回調査では今年2018年度は▲6.5%減と見込まれていたところ、今回調査では投資計画が固まって来たのか、+5.4%増に大きく上方修正されています。ほとんどが製造業のプラスで、非製造業は昨年並みという計画となっています。7月に入れば6月調査の日銀短観が明らかになりますが、引き続き、年度後半にかけて企業マインドは堅調と考えてよさそうです。

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続いて、企業物価(PPI)上昇率のグラフは上の通りです。上のパネルは国内物価、輸出物価、輸入物価別の前年同月比上昇率を、下は需要段階別の上昇率を、それぞれプロットしています。色分けは凡例の通りであり、影をつけた部分は景気後退期を示しています。ということで、PPIのヘッドラインとなる国内物価は前年同月比上昇率で見て、4月確報の+2.1%から5月速報では+2.7%と上昇幅を拡大しています。3月4月と国内物価上昇率は+2.1%が続き、基本的に、為替が円高に振れた影響と私は考えていたんですが、5月については逆に円安の進行と国際商品市況における石油価格上昇の影響が大きいと考えるべきです。季節調整していない前月比上昇率で見ても、国内物価のうち上昇幅が大きいのは、ガソリンなどの石油・石炭製品+0.28%、電力・都市ガス・水道とキシレンなどの化学製品の+0.10%となっています。また、国内物価以外でも石油価格の影響の強い輸入物価上昇率は円ベースの前年同月比で見て、3月+1.7%、4月+5.0%のぞれぞれ上昇から、5月には+6.5%までプラス幅を拡大しています。もっとも、円安も石油価格上昇も足元では5月中下旬には反転の兆しを見せており、金融政策動向よりもよっぽど物価への影響力の強い石油価格の動向には目が離せません。



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