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発行日時
2017-11-30 19:23
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鉱工業生産指数(IIP)は堅調な伸びを続ける!
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http://economist.cocolog-nifty.com/blog/2017/11/iip-4774.html 鉱工業生産指数(IIP)は堅調な伸びを続ける!への外部リンク
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本日、経済産業省から10月の鉱工業生産指数 (IIP)が公表されています。季節調整済みの系列で前月比+0.5%の小幅な増産を示しています。まず、日経新聞のサイトから記事を引用すると以下の通りです。

10月の鉱工業生産、前月比0.5%上昇 基調判断は「持ち直し」で据え置き
経済産業省が30日発表した10月の鉱工業生産指数(2010年=100、季節調整済み、速報値)は103.0と、前月に比べ0.5%上昇した。上昇は2カ月ぶり。設備投資に向けられる資本財や、原材料として投入される生産財が全体をけん引しプラスとなったが、QUICKがまとめた民間予測の中央値(前月比2.0%上昇)は下回った。経産省は生産の基調判断を「持ち直しの動き」に据え置いた。
全15業種のうち8業種で前月を上回った。最も上昇に寄与したのは電気機械工業(2.5%上昇)。半導体・IC測定器や開閉制御装置に加え、冬に向けてエアコンの生産も伸びた。輸送機械工業は0.7%上昇した。駆動伝導・操縦装置部品や船用ディーゼル機関などがけん引した。汎用・生産用・業務用機械工業(0.7%上昇)ではフラットパネル・ディスプレー製造装置などが好調だった。
一方、低下したのは6業種だった。最も低下に寄与したのは化学工業で2.9%低下だった。合成洗剤や合成ゴムなどの品目が落ち込んだ。石油・石炭製品工業(6.4%低下)も低下に寄与した。電子部品・デバイス工業(0.6%低下)は液晶素子や半導体集積回路などスマホやタブレット端末に使われる電子部品の生産が伸び悩んだ。窯業・土石製品工業は前月比横ばいだった。
出荷指数は0.5%低下の98.8だった。2017年5月(98.2)以来の低水準。在庫指数は3.1%上昇の110.6と6カ月ぶりにプラスとなった。在庫率指数も3.5%上昇の114.2だった。
メーカーの先行き予測をまとめた製造工業生産予測調査では、11月が2.8%上昇、12月は3.5%上昇となった。

いつもながら、包括的によく取りまとめられた記事だという気がします。続いて、鉱工業生産と出荷のグラフは以下の通りです。上は2010年=100となる鉱工業生産指数そのものであり、下のパネルは輸送機械を除く資本財出荷と耐久消費財出荷のそれぞれの指数です。いずれも季節調整済みの系列であり、影を付けた期間は景気後退期を示しています。

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ということで、前回の鉱工業生産統計の公表時において、製造工業生産予測調査では10月は前月比で+4.7%との結果が出ており、日経・QUICKによる市場の事前コンセンサスでも中央値で+2.0%、レンジでも1.1~3.4%の増産が見込まれていたんですが、結果的に、+0.5%増のやや物足りない統計に終わりました。特に、生産は増加したものの、出荷が前月比で▲0.5%の減少を記録しており、差引きで在庫が積み上がっている、もしくは、積み増されている状況です。やや下振れした印象があったので、例の自動車の最終検査における無資格検査問題で10月下旬から一部メーカーが出荷を停止し、それに合わせて生産も減産に入った影響が頭に浮かんだんですが、大きな影響はなかったと受け止められています。例えば、産業別に詳しく見ると、輸送機械の10月の生産は前月比で+0.7%の増産、出荷は+1.0%増となっています。ただし、さらに詳細には、乗用車の生産・出荷が増加したというよりは、駆動伝導・操縦装置部品などの伸びのようですから、無資格検査問題がなければ生産も出荷もさらにプラス幅が大きかった可能性も否定できないものの、少なくとも、この無資格検査問題による生産・出荷への影響は決して長期に及ぶことはないと考えられます。ですから、それほど信頼性は高くない統計とはいえ、製造工業生産予測調査では11月+2.8%、12月+3.5%のそれぞれ増産を見込んでおり、うち、輸送機械は11月+2.1%、12月+3.4%のそれぞれ増産となっていて、いわゆる「挽回生産」の動きは見られません。
先行きについては、世界経済の回復に伴う輸出の増加や国内でも耐久消費財の買い替えサイクルの復活などから、引き続き、緩やかな増産が見込まれますが、来月12月にも米国連邦準備制度理事会(FED)が連邦公開市場委員会(FOMC)で追加利上げに踏み切る可能性が高く、海外経済の先行きはFEDの出口戦略に従ってリスクがないとはいえないものの、現時点で利用可能な情報を総合すれば、米国の利上げはかなり緩やかなペースで実施されると考えられ、大きな混乱は生じないものと想定してよさそうに私は考えています。少なくとも、米国経済への大きな下押し圧力になる可能性は小さい一方で、新興国や途上国における資金フローにどのような影響を及ぼすかは、やや見通しがたい要素を含んでいるような気がしてなりません。



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