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2017-10-10 19:36
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小売りが牽引する景気ウォッチャーと黒字が定着した経常収支と日銀「さくらリポート」!
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本日、内閣府から9月の景気ウォッチャーが、また、財務省から8月の経常収支が、それぞれ公表されています。景気ウォッチャーでは季節調史絵済みの系列の現状判断DIが前月から+1.6ポイント上昇して51.3を、先行き判断DIは▲0.1ポイント低下して51.0を、それぞれ記録し、また、経常収支は季節調整していない原系列の統計で+2兆3804億円の黒字を計上しています。まず、日経新聞のサイトから記事を引用すると以下の通りです。

9月の街角景気、家計の景況感が改善 選挙後には懸念
内閣府が10日発表した9月の景気ウオッチャー調査(街角景気)によると、街角の景気実感を示す現状判断指数(季節調整済み)は前月比1.6ポイント改善の51.3だった。気温の低下で秋物衣料などが堅調だった小売りを中心に家計動向を示す指数が改善した。企業動向では非製造業の改善が目立った。ただ衆院選後の消費環境を巡る不透明感が重荷で、先行き判断指数は51.0へ0.1ポイント低下した。
内閣府は基調判断を「着実に持ち直している」と、従来の「持ち直しが続いている」から変更した。現状判断指数が節目の50を上回ったため。表現変更は4カ月ぶりで、同様の表現を使うのは指数が2カ月連続で51.4を付けた16年12月以来9カ月ぶりとなる。
部門別にみると家計動向が2.3ポイント改善し50.1と、2016年11月以来10カ月ぶりに節目の50を上回った。小売関連が3.8ポイント改善し50.7と、消費増税直前の14年3月(56.4)以来3年半ぶりの高さとなった。企業動向は0.3ポイント上昇の52.3、雇用は0.4ポイント低下の57.0だった。
街角では家計動向について「残暑もなく、秋冬物の季節商材の動きが前年よりも早くなっている」(近畿のスーパー)との声があった。北関東などで新型車の販売効果やスマートフォンの販売好転を指摘する声も出た。企業動向では「海外の景気動向が良くなっている。国内の季節要因もあり国内景気は徐々によくなっている」(北関東の金融業)と指摘されたほか、広告関係から業況改善を示すコメントが目立った。半面、製造業では鉄鋼業などで受注の鈍さを懸念する声などがみられた。
2~3カ月後を占う先行き判断指数を押し下げたのは家計動向。同指数は50.2で、サービス関連の低下を主因に前月から0.3ポイント下げた。「衆議院選挙の影響で企業の接待などの減少が懸念材料」(南関東の都市型ホテル)との声があった。
8月の経常収支、2兆3804億円の黒字 8月として過去最大
財務省が10日発表した8月の国際収支状況(速報)によると、海外との総合的な取引状況を示す経常収支は2兆3804億円の黒字だった。黒字は38カ月連続。前年同月に比べて黒字額が4100億円拡大し、8月としては過去最大の黒字額を記録した。第1次所得収支の大幅黒字や8月としては初となるサービス収支の黒字が寄与した。
第1次所得収支は2兆2385億円の黒字で、黒字幅は前年同月に比べて2575億円拡大した。8月としては過去最高の黒字額となった。円安を背景に海外子会社から受け取る配当金が増加した。
サービス収支は202億円の黒字(前年同月は506億円の赤字)だった。黒字転化は8月としては初めて。訪日外国人の増加を背景に旅行収支が8月としての過去最高の黒字を記録した。通信など情報サービス関連の支払いが減少したことも寄与した。
貿易収支は3187億円の黒字と黒字幅が1006億円拡大した。自動車や半導体などの電子部品の増加で輸出が16.3%増加した。石炭や液化天然ガス(LNG)の増加で輸入も15.1%増えたが、輸出増が上回った。

いつもながら、よく取りまとめられた記事だという気がします。2つの統計に関する記事を並べましたので少し長くなってしまいました。次に、景気ウォッチャーのグラフは下の通りです。現状判断DIと先行き判断DIをプロットしています。いずれも季節調整済みの系列です。色分けは凡例の通りです。影をつけた部分は景気後退期です。

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景気ウォッチャーは、先行き判断DIはほぼほぼ横ばいでしたが、現状判断DIは大きくジャンプして改善を示しました。8月から9月にかけて総合で+1.6ポイントの上昇を見せた中で、3つのコンポーネントのうち、企業動向関連が+0.3ポイントの上昇、雇用関連が▲0.4ポイントの低下だったのに対して、家計動向関連は+2.3ポイントの上昇を記録しており、家計動向関連の中でも小売関連が+3.8ポイントと突出して上昇しています。もっとも、先行き判断DIに目を転じると、企業動向関連が+0.5ポイント上昇し、雇用関連が横ばいだったのに対して、家計動向関連は逆に▲0.3ポイントの低下となっています。それにしても、引用した記事にあるような衆議院総選挙後に対する懸念というのは、どこまで一般化できるんでしょうか。私には疑問です。家計のお話しに戻ると、極めて素直に判断する限り、8月は天候要因などで家計動向はよくなかったものの、9月には天候も回復して8月から9月にかけては上向きに見えるが、しかし、それほど腰の据わった家計部門の回復・改善ではない、ということになります。ただし、現状判断DIも先行き判断DIもともにかなり高い水準にあり、マインド指標の常として、これから先もグングン上昇を続けるという可能性は低いのかもしれません。そうなれば、ユーフォリアによるバブルのような気もします。それから蛇足ながら、統計作成官庁である内閣府の基調判断ですが、先月までの「持ち直している」から「着実に持ち直している」に変更されています。私は頭の回転が鈍いので、違いがイマイチよく判りません。

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続いて、経常収支のグラフは上の通りです。青い折れ線グラフが経常収支の推移を示し、その内訳が積上げ棒グラフとなっています。色分けは凡例の通りです。上のグラフは季節調整済みの系列をプロットしている一方で、引用した記事は季節調整していない原系列の統計に基づいているため、少し印象が異なるかもしれません。引用した記事にもある通り、円安に伴う1次所得収支の円建て額が膨らんだことに加え、おそらくインバウンドなんだろうと想像していますが、旅行収支につれてサービス収支が改善しています。季節調整済みの系列では引き続きマイナスの赤字なんですが、季節調整していない原系列の統計ではサービス収支は黒字に転化しています。政府観光局の8月統計によれば、前年同月比で見て出国日本人数が+3.9%だったのに対し、訪日外国人旅行者数は+20.9%増を記録しています。輸出入はすでに貿易統計で見ているとして、9月のデータが利用可能になりましたので経常収支の対GDP比を計算してみました。1~3月期に+3.8%を示して、それまでじわじわと上昇し続けて来ましたが、4~6月期にはとうとう4.0%をつけてピークに達し、7~9月期も+3.5%と高い水準にあります。サブプライム・バブル末期には+5%近い経常黒字を記録していましたが、貿易収支や経常収支について厳しい見方をする米国大統領の誕生に伴って、それなりの摩擦を警戒するレベルに達したような気がします。

 2017年7月判断前回との比較2017年10月判断
北海道回復している回復している
東北緩やかな回復基調を続けている緩やかな回復基調を続けている
北陸緩やかに拡大している緩やかに拡大している
関東甲信越緩やかな拡大に転じつつある緩やかに拡大している
東海緩やかに拡大している拡大している
近畿緩やかな拡大基調にある緩やかに拡大している
中国緩やかに拡大しつつある緩やかに拡大している
四国緩やかな回復を続けている緩やかな回復を続けている
九州・沖縄地域や業種によってばらつきがみられるものの、緩やかに拡大している緩やかに拡大している

日銀支店長会議で10月の「さくらリポート」が公表されています。上のテーブルの通りです。9地域中の4地域で景気判断が引き上げられています。九州・沖縄ブロックは表現振りは違っていますが、景気判断としては据え置きということのようです。

間もなく始まるIMF世銀総会に向けて、国際通貨基金(IMF)から「世界経済見通し」 World Economic Outlook の見通し編が、米国ワシントンDC時間の10月10日午前9時に公表されるとアナウンスされています。日を改めて取り上げたいと思います。



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