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2017-10-7 8:56
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ハリケーンの影響で米国雇用統計の雇用者は7年振りの減少を示す!
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日本時間の昨夜、米国労働省から9月の米国雇用統計が公表されています。非農業雇用者数は前月統計から▲33千人減と、7年振りの減少を示した一方で、失業率は前月から▲0.2%ポイント下がって4.2%を記録しています。いずれも季節調整済みの系列です。まず、Los Angeles Times のサイトから最初の6パラだけ記事を引用すると以下の通りです。

U.S. payrolls shrink for first time in 7 years: Hurricanes walloped job growth
urricanes Harvey and Irma walloped the labor market last month, causing the nation to lose jobs for the first time in seven years, the Labor Department said Friday.
Total nonfarm employment declined by a net 33,000 jobs in September compared with an upwardly revised gain of 169,000 the previous month. The Labor Department said 1.5 million workers - the most in 20 years - were not at their jobs during the survey week last month because of bad weather.
Restaurants and bars took the biggest hit. Total employment in September declined by 105,000 "as many workers were off payrolls due to the recent hurricanes," the Labor Department said.
The sector had averaged job growth of 24,000 over the previous 12 months.
"We've very confident those jobs are coming back," Gary Cohn, the top White House economic advisor, told Fox Business Network.
Analysts had expected the major hurricanes that devastated large parts of Texas and Florida would significantly reduce job growth in September, but the decline was much bigger than expected.

長くなりましたが、金融政策動向も含めて、包括的によく取りまとめられている印象です。続いて、いつもの米国雇用統計のグラフは下の通りです。上のパネルは非農業部門雇用者数の前月差増減の推移とそのうちの民間部門、下のパネルは失業率です。いずれも季節調整済みの系列であり、影をつけた部分は景気後退期です。全体の雇用者増減とそのうちの民間部門は、2010年のセンサスの際にかなり乖離したものの、その後は大きな差は生じていません。

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ということで、非農業部門雇用者数は何と7年振り、すなわち、サブプライム・バブル崩壊後の金融危機に伴う景気後退期を終えた1年余り後の2010年9月以来の減少を記録しました。かなりの程度にテキサス州やフロリダ州を襲ったハリケーンの影響と見られています。全産業ベースで▲33千人の非農業部門雇用者減、うち民間部門で▲40千人の減少なんですが、Leisure and hospitality 産業の減少が何と▲111千人に上っています。他方で、雇用増をけん引してきた Health care and social assistance については、8月+20.9千人増の後、9月は+13.1千人増となっており、やや減速したものの引き続き雇用は増加していますし、Transportation and warehousing などでも雇用者は伸びています。加えて、失業率は低下しているわけですから、9月の雇用減少はハリケーンの天候要因による一時的なものである可能性が高いと受け止められています。さらに、米国雇用統計では一時的に給与が支払われないケースも雇用が減少したと見なしていることから、こういった制度要因もあって、9月の指標が大きく下振れした可能性があると指摘されています。従って、金融政策当局である米国連邦準備制度理事会(FED)では、引き続き、年内の追加利上げに関する検討を続けるんではないか、と多くのエコノミストは考えているようです。その理由のひとつは下のグラフに見られるように、賃金の上昇がやや加速する可能性が高まっているからです。

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ということで、時間当たり賃金の前年同月比上昇率は上のグラフの通りです。ならして見て、底ばい状態を脱して少し上向きに転じつつも、もう一段の加速が見られないと考えられてきましたが、それでも、9月は前年同月比で+2.9%の上昇を見せています。日本だけでなく、米国でも賃金がなかなか伸びない構造になってしまったといわれつつも、物価上昇を上回る賃金上昇が続いているわけですから、生産性の向上で物価に波及させることなく賃金上昇を吸収しているとはいえ、金融政策の発動が必要とされる場面も近くなるかもしれません。



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