切り抜き詳細

発行日時
2017-8-9 19:33
見出し
来週月曜日に公表予定の4-6月期GDP速報1次QEの予想やいかに?
リンクURL
http://economist.cocolog-nifty.com/blog/2017/08/4-6gdp1qe-300d.html 来週月曜日に公表予定の4-6月期GDP速報1次QEの予想やいかに?への外部リンク
記事詳細

先週月曜日の7月月末までに必要な統計がほぼ明らかになり、来週月曜日の8月14日に4~6月期GDP速報1次QEが内閣府より公表される予定です。すでに、シンクタンクや金融機関などから1次QE予想が出そろっています。いつもの通り、顧客向けのニュースレターなどのクローズな形で届くものは別にして、web 上でオープンに公開されているリポートに限って取りまとめると下の表の通りです。ヘッドラインの欄は私の趣味でリポートから特徴的な文言を選択しています。可能な範囲で、足元の4~6月期以降の先行きの景気動向を重視して拾おうとしています。明示的に取り上げているシンクタンクは、下のテーブルでは上から6機関、すなわち、日本総研、大和総研、みずほ総研、ニッセイ基礎研、第一生命経済研、伊藤忠経済研となっています。いずれにせよ、より詳細な情報にご興味ある向きは左側の機関名にリンクを張ってありますから、リンクが切れていなければ、pdf 形式のリポートが別タブで開いたり、ダウンロード出来たりすると思います。"pdf" が何のことか分からない人は諦めるしかないんですが、もしも、このブログの管理人を信頼しているんであれば、あくまで自己責任でクリックしてみましょう。本人が知らないうちにAcrobat Reader がインストールしてあって、別タブが開いてリポートが読めるかもしれません。

機関名実質GDP成長率
(前期比年率)
ヘッドライン
日本総研+0.6%
(+2.2%)
7~9月期を展望すると、国内需要は、企業の良好な収益環境や人手不足を背景とした雇用所得環境の改善を下支えに、持ち直しの動きが続くとみられるほか、輸出も、世界的な設備投資意欲の改善などを背景に、再び増加基調に復帰する見込み。4~6月期の成長率を押し上げた公共投資や在庫投資のプラス寄与は縮小するものの、0%台後半とみられる潜在成長率を上回る成長ペースが続く見込み。
大和総研+0.7%
(+2.8%)
先行きの日本経済は、基調として足下の緩やかな拡大が継続するとみている。個人消費を中心とした内需は一進一退ながら堅調な推移が続くと同時に、世界経済の回復を背景とした外需の拡大が日本経済の成長を支えるだろう。ただし、Fedの利上げや共産党大会後の中国経済の減速懸念など、外需の下振れリスクには警戒が必要である。
先行きの個人消費は、一進一退ながら堅調な推移が続くと見込む。労働需給がタイトな状況の中、非製造業を中心とした労働需要の高まりから雇用者数が増加基調であることに加えて、賃上げ率は4年連続で2%を上回っている。これらがマクロの賃金(=一人当たり賃金×雇用者数)を押し上げると考えられ、個人消費のけん引材料となるだろう。一方、良好な消費者マインドの改善が一服することで消費性向の上昇が停滞することとなれば、個人消費は徐々に減速していく可能性がある。
みずほ総研+0.6%
(+2.5%)
7~9月期以降の日本経済について展望すると、海外経済の回復が、引き続き輸出や設備投資の回復につながるだろう。4~6月期の輸出はITセクターの減速などから減少したものの、7~9月期になると輸出は再び回復軌道に復するとみている。データセンターや車載向けの需要の堅調さに加えて、秋に控えるiPhone8の発売がIT関連輸出の押し上げ要因となるだろう。設備投資については、非製造業が各業種の個別要因から減速する可能性がある。もっとも、全体としては、五輪関連や都市再開発関連の案件が進捗すること、人手不足の深刻化を背景に省力化・効率化投資の積み増しが見込まれることから、設備投資は堅調さを維持するだろう。
個人消費については、耐久消費財が持ち直していること、株高などを背景に消費者マインドが改善していることがプラスに働くと見られる。天候要因による振れを伴いつつも、個人消費は緩やかな回復傾向が続くとみられる。
ニッセイ基礎研+0.9%
(+3.6%)
日本経済は2016年1-3月期以降、ゼロ%台後半とされる潜在成長率を上回る成長を続けているが、2017年4-6月期はその中でも最も高い伸びとなった模様だ。内容的にも2016年後半は外需中心の成長だったが、2017年入り後は民間消費、設備投資が明確に増加し、内需主導の自律的回復局面に移行しつつある。
7-9月期は4-6月期の高成長の反動もあり成長率は鈍化する公算が大きいが、4-6月期と同様に民間消費、設備投資などの国内民間需要中心の成長が続くことが予想される。ただし、名目賃金の伸び悩みが続いているため、今後物価上昇ペースが加速した場合には、実質所得の低下を通じて消費が下振れるリスクが高まるだろう。
第一生命経済研+0.8%
(+3.2%)
先行きも、景気は好調な推移が続く可能性が高い。米国を中心として海外経済が回復傾向を続けるとみられるなか、輸出は再び増加基調に戻る可能性が高いことに加え、設備投資も、企業収益の増加や高水準の企業マインドを受けて増加傾向が続くだろう。個人消費については4-6月期は出来過ぎの感が否めず、強気にはなれないが、少なくとも足を引っ張ることはなさそうだ。今後も着実な景気回復を見込んで良いだろう。
伊藤忠経済研+0.2%
(+0.9%)
今後の景気を展望すると、7~9月期には公共投資の落ち込みは避けられないものの、海外景気の拡大を背景に輸出が増勢を取り戻すほか、賃金上昇を受けて個人消費は持ち直しの動きを維持、設備投資も企業が比較的強気の今年度計画を実行に移し再び増加に転じるなど、国内民間需要が増勢を強めるとみられる。そのため、今後も潜在成長率を上回る景気拡大は十分に期待できそうであり、それが実現すれば年度末に向けて消費者物価上昇率は徐々に高まろう。
三菱UFJモルガン・スタンレー証券景気循環研究所+0.6%
(+2.5%)
17年4-6月期は、国内需要が成長率を大きく押し上げた模様である。雇用・所得環境の改善を背景に、個人消費が引き続き堅調に推移したとみられるほか(前期比0.3%増)、設備投資の増加基調も一段と強まった可能性が高い(同2.0%増)。総額28兆円超の大型経済対策の執行本格化を受けて、公共投資も急速に拡大したとみられる(前期比4.1%増)。半面、輸出については、アジア向けの低迷を反映して、前期比0.1%増に鈍化したとみられるほか、住宅投資についても、相続対策とみられる貸家建設の需要一巡などから、同0.3%減が見込まれる。
三菱UFJリサーチ&コンサルティング+0.5%
(+2.2%)
8月14日に内閣府から公表される2017年4~6月期の実質GDP成長率は、前期比+0.5%(年率換算+2.2%)と6四半期連続でプラスとなったと見込まれ、景気が持ち直していることを確認する結果となろう。
個人消費は、雇用・所得情勢の改善などを背景に堅調に推移したと見込まれる。設備投資も、企業の新規投資に慎重な姿勢は続いているが、人手不足への対応もあって緩やかな増加傾向が維持されていると考えられる。また、公共投資は2016年度の補正予算の執行の影響によって高めの伸びとなった可能性がある。一方、外需については、輸出が前期比でマイナスとなった一方で、輸入の増加が続いており、寄与度は4四半期ぶりにマイナスに転じたと予想される。
三菱総研+0.5%
(+1.8%)
2017年4-6月期の実質GDPは、季節調整済前期比+0.5%(年率+1.8%)と6四半期連続のプラス成長を予測する。輸出の増勢は一服も、消費や設備投資など内需を中心とする成長持続を予想する。
消費は、良好な所得環境や消費者マインドの改善を背景に、自動車をはじめ耐久消費財に持ち直しの動きがみられるほか、気温が平年より高めに推移したことなどから電気代も増加しており、同+0.3%と6四半期連続の増加を予測する。設備投資は、設備稼働率の上昇や人手不足による自動化・省力化ニーズの強まりなどを背景に、同+0.6%と3四半期連続の増加を見込む。民間在庫は、需要回復を背景に前向きな在庫積み増し局面に入っているとみられ、同+0.2%pのプラス寄与を予想する。公的固定資本形成は、2016年度の大型経済対策(第2次補正予算)の本格執行化などから同+7.5%と高い伸びを見込む。

ということで、ある程度のばらつきはあるものの、かなり多くの機関で高成長を見込んでいるように私は受け止めています。+2%台後半から+3%を超える成長率を予測する向きもあります。もっとも、伊藤忠経済研のように年率+1%弱のほぼ潜在成長率に近いラインを予想する向きもあります。おおむね、潜在成長率を上回る成長を達成したのではないか、というのが少なくともエコノミストの間の緩やかなコンセンサスであり、私のような楽観派のエコノミストはかなりの高成長を実現したと感じています。加えて、米国の通商政策をはじめとする海外の政策要因も含めて、消費動向などのリスクがないわけではないものの、先行きについても海外経済の順調な回復・拡大による輸出の伸びなど、年内ないし年度内いっぱいは日本経済も順調な回復・拡大を続けるとの見方が多いようです。ただし、消費については少し見方が分かれており、すなわち、耐久消費財の最近時点での伸びを基に、サイクル的にも順調な回復を予測する楽観派のエコノミストと、4~6月期の消費の堅調さは天候というサステイナブルでない要因に支えられたものであり、このまま賃上げが進まないと物価上昇から実質所得の低下を招いて消費の伸びが鈍化する可能性がある、と見る慎重派のエコノミストです。私はいろんな局面では大雑把に楽観派に属する場合が多いんですが、この歴雪の消費動向に関してだけは慎重な見方をすべきと考えています。
最後に、下のグラフはいつもお世話になっているニッセイ基礎研のリポートから引用しています。上のテーブルで取り上げた中ではもっとも高い成長率予想を弾き出していますが、先行きの消費については慎重な見方も併せて示しています。

photo


経済研究者ブログ
スポンサードリンク
Powered by 中国株香港市場2.0 © 2005-2006 Hiropon Chinaweb Project