米国のリーマンショックの後で、特にここ1年ほどはオーストラリアドルと上海総合指数が同じような動きをするようになってきました。ここでは簡単なビジュアルのチャートだけで、分析と呼べるものではありません。しかし、ビジュアルの比較はYahooのサイト上で簡単に比較出来る事からお遊びとしても面白いと思いので、グラフを見ながらいろいろ遊んでみたいと思います。
最初にオーストラリアドル日本円と上海総合指数の1年チャートです。ビジュアルで見た形だと、ある程度の関係がありそうです。これだけ見ると、AUDJPYと上海総合指数(000001.SS)は、まるで一致して動いているように「見えなくも無い」という状況です。
ASDJPYと上海総合指数の関係【1年チャート】

次のグラフでは、これを「オーストラリアドルUSD」と「上海総合指数」の1年チャートにすると、日本円の時と比較すると動きが揃っているように見えます。上海総合指数の上昇(中国の市場が上昇)するのにつられて、オーストラリアの資源が必要になり、オーストラリアドルがUSDに対して上昇しているのかもしれないと予想したくなります。ここだけ見ると、オーストラリアがまるで中国の経済成長を地理的な要因を含めて、恩恵を受けているように読み取ろうとする人も居るかもしれません。
ASDUSDと上海総合指数の関係【1年チャート】

上のグラフだけで考えると、中国、オーストラリアの関係が見えた!ような気持ちになってしまいがちですが、実際にオーストラリアドルが上昇しているのは、中国の経済成長が全ての要因であるように断言する事が出来ません。その理由が次のグラフから明らかになります。
次のグラフは、ASDUSDと、ニューヨークダウと、上海総合指数を示しています。実際には、「ASDUSDとニューヨークダウ」の方が「ASDUSDと上海総合指数」よりもずっと一致した動きを示している事が分かります。つまり、ここ1年チャートであれば、ニューヨークダウの上昇=オーストラリアドルの上昇は何か関係があったであろう事が分かります。少なくとも、上海総合指数よりは関係が深かったという事はグラフから読み取れます。

もしかすれば、オーストラリアドルの上昇と中国の経済成長とは何も関係なく、お金が余っていたので株式市場、商品市場にお金がどんどん流入して、ニューヨークダウが上昇して、シカゴなどの商品先物市場もどんどん値をあげて、その恩恵をオーストラリアが得ているという考え方も出来ます。アメリカでは、お金が余ったからニューヨークダウが上昇しているのでしょうか?
アメリカの現在の状況としては、低い金利で金を借りてでもニューヨークダウとか好調なオーストラリアドルに投資すれば儲かるような状況です。アメリカの企業は、景気が悪いどころか決算も好調な企業が多くて儲かっています。低金利で自国の通貨安と言えば、2007年の日本の状況に似ています。2007年当時の日本は、株価も若干回復気味にあって株価が15000円を超えて企業の業績も好調でした。儲かっていないのは、多額の債務を抱えるアメリカ政府でしょう。
この文章の結論を書くと、アメリカの陥っている状況は、恐らくは日本と同じように、お金を消費する場所が無いという事にありそうです。日本人の多くは、満足な公共設備と住宅があり、食べるものには困らない、その上に医療も充実しているという現在の生活に満足している事でしょう。米国でも満足に差こそあれど、基本的には食べるものや住宅は提供されています。このような状況で、1人あたりの消費の伸びはそれほど期待出来ず、新たな消費が行われれば、古い消費を削るような状況になっています。固定電話を辞めて携帯電話にするというような状況です。
企業業績は、アメリカ、日本においても国内消費が伸びて起こっているのではなくて、海外で稼ぎ出した収益になっています。先進国の多くの人は「現状に満足」していて、大きな消費をする必要がないのですね。貧困層が中間層になれば、消費というのは一気に上昇しますが、中間層が富裕層になっても、それほど食べるものが劇的に変化して、家が10倍にもなるのは考えにくいと思います。富裕層だからと、ノートパソコン5台も要らないでしょう。サブプライムローンでは、貧困層を中間層にローンを使って「引き上げたふり」をする事で、米国の旺盛な消費が実現出来ましたが、これは多くの問題がありました。
だから企業は海外で収益をあげて儲かっていればいいのですが、売りつける物がオーストラリアのように成長する国が確実に必要とする「資源」などであれば良いのですが、日本のように製品ばかりでは、相手の国が買ってくれるとは限らない所が難しいところだと思います。ただ、日本企業の業績が比較的良いところをみても、今後も日本、米国ともに企業が生き残っていく方法はあるのかなと思います。ただし、国内の空洞化のような状況は避けがたいですね。
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