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会社の上司がコンピューターについて全くの無知だと、仕事をするにも簡単に説明出来ないなど支障をきたす事になってしまうでしょう。逆に情報に強い友達が居て、いろいろな情報を提供してくれるとなると、これほど心強い事は無いと感じるはずです。いつの時代も世代間の情報のギャップというものは存在していますが、最近はインターネットが使えるか使えないかというだけで、得られる情報に大きな差が見られるようになってきました。

Asahi.com(2009年11月10日)の「情報源の世代間ギャップ」で取り上げられていましたが、情報源の多様化は政治の支持率などにも影響を及ぼしているという内容です。人々は、無意識のうちに自分の持っている情報源を「本当の真実である」と信じてしまう傾向があります。新聞は普通の家庭では1社か2社しか取らないので、それを数年間も取り続ける事で、考え方がその新聞社の訴える内容に近づいてしまう可能性があるという事でした。

 

将棋のコンピューター将棋は、初期の頃から最近に至るまでは、自然な指してを評価する手法が用いられてきました。これは、コンピューターの性能が足りなかった為です。HNKの2000年頃の番組では、将棋の次の指してが80通りあるとすれば、コンピューターが全部の手を読んでいたのでは、80の115(プロの手数)乗をすると、10の220乗となって、コンピューターの能力では4手先程度までしか読みきれないとしています。この為に人間が良くある(自然な指し手となる)10通り程度に絞った上で選択を行うというものでした。

しかし、このように10通りに絞れば先を読むのは2倍の8手先まで可能になりますが、この手法では通常は使われない70通りもの方法を無視する事になっていました。また、この10通りから選択する時の評価関数を将棋の製作者が決めるので、将棋の製作者の強さが将棋に反映されてしまうという事が起こっていました。この為に「大局観」を見るというような将棋を行っているプロ棋士の足元にも及ばなかった訳です。

このような流れを変えたのは、チェスの世界でも用いられている「全幅検索」でした。2007年に渡辺竜王と対戦したボナンザはこの全幅検索を用いたものでした。このボナンザの強さは、江戸時代まで遡ったデーターの中で、ありとあらゆる将棋の手の中から、その中で最良と判断された手をさすというものでした。つまり、今まで起こった大量の局面の中から頻出する要素を評価関数を自動的に生成するというものでした。これは、人間の行った過去のデーターを分析して大局観を覚えさせようという試みでもありました。

参照:コンピュータゲームプレイヤの静的評価関数の自動生成に関する研究動向
http://www.logos.ic.i.u-tokyo.ac.jp/~miwa/papers/seminar/rinkou4.pdf

George Soros が言った有名な言葉で、"I assume that markets are always wrong (マーケットは常に間違っている)"というものがあります。この言葉は、ユダヤ人であるジョージソロスの幼い頃からの悲惨な境遇によって生み出されたものであるとされています。哲学的な観点から経済活動を分析していた彼は、企業業績からマーケットプライスが決まるだけではなく、マーケットプライスも同時に企業業績に影響を与えるなどの「再帰性」に着目しました。詳しい内容は専門書に任せるとして、彼に言わせれば「間違った相場を発見する」事が利益を出すコツであったと言えるでしょう。

その間違った相場を発見する方法ですが、人々と同じような方法論を取ってきて「自分が間違いを発見出来る」という事は非常に難しい事だと考えています。人間というのは、周囲の人と「協調」せずには生きていけず、その協調が情報源を画一化・同一化してしまうからです。多くの場合には、生活の為に故意に情報源を閉ざしていきますが、マーケットではこれは弱みになりますが強みとはなり得ません。ジョージ・ソロスなどは、自己の経験を活かして、人々がどちらの方向に動いていくのかを的確に見抜いていたと言えます。

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