Newyork Times
In Japan, Young Face Generational Roadblocks
http://www.nytimes.com/2011/01/28/world/asia/28generation.html
日本における問題は、今さら私のブログで書く事も無いと思います。今から考えると、失われた10年と言われた1990年から2000年までの10年はまだマシな10年でした。その後の10年で世界の状況は更に大きく変化しています。例えば、2000年‐2010年までの間に中国の大学卒業者は100万人から600万人へと約6倍に膨れ上がりました。中国人大卒者が日本人大卒者と能力が「差的不大,或者差不多(差がそんなに無い)」とすれば、企業としては「安い労働力」の中国人採用者を増やす方が良いという事になります。実際に多くの日本企業が工場を中心に海外移転を行っています。
日本では、非正規雇用の問題があって、企業に賃金を上昇させろという事が言われたりしています。非正規社員の悲惨な現状が取り上げられて、それに対して企業に改善を求めるなどの運動があります。しかし、実際には日本国内に非正規労働者の働き場所があるだけで「まだ良い方」なのだと思います。大きな企業が、本当に安くて優秀な人材を求めて企業が海外に逃げ出してしまえば、非正規労働者の働き場所はなくなります。そのようになれば、一部の正規労働者の雇用条件が現在の非正規労働者並になる事も考えられます。
失われる高等教育の優位性
日本では、誰でも受けられる高等教育というものが国際的な競争力を保ってきたという事は誰も否定しないでしょう。日本の教育スタイルというのは、一貫して「大衆教育」が行われており、企業にそのまま就職出来るような教育を行います。このような社会で必要とされるのは、独自性などではなくて、それこそ大衆教育の中でしっかりと基礎的な教育を受けるという事になります。しかし、このような大衆教育を隣の人口大国の中国が始めて、毎年600万人の大卒者が生み出されるとしたら、日本の優位性はどこにあるのでしょうか?
大学を出て非正規労働者になる時代となりましたが、これは自分が知らない間にグローバル化によって、日本の賃金水準が中国の賃金水準と競い合っている為であると考えられます。非正規労働者であったとしても、企業側から見れば賃金水準は中国人よりも高い水準にあるのです。企業は、日本でも中国でも似たような人材を確保できます。違っているのは給与が日本は中国人の5倍という賃金差だけであったりします。
教育改革は可能か?
日本の競争力を高める上で教育改革についても盛んに議論された時期があります。しかし、根本的な解決には至っていません。それは当然で、年功序列のシステムの中で、同じ人材が働く職場を変えるのは不可能だからです。最も良い例を言えば、英語の先生ですけど、英語がちっとも話せないような先生がどうして英語を教える事が出来るのでしょうか?腐った英語教育を10年近く受けている生徒は、当然のように英語が話せず、書けません。
日本の英語のレベルがちっとも上がらないからという事で、今度は小学校からの英語教育が議論されているそうです。中学、高校の英語教育で既に6年間も英語教育する時間があります。実用に耐えられない英語しか教えられないのは、中学、高校の教育者の水準が非常に低レベルだからです。教育者が低レベルなのに、高レベルの学生を輩出するのは不可能でしょう。
若者の玉砕を強いる?
構造としては、以前に第二次世界大戦の時に玉砕した日本軍にそっくりです。軍隊の一部の老人たちがグローバルの視点を欠いたおかげさまで、戦争が終わらずに多くの若者が玉砕する羽目になりました。敵と戦って死んだのではなくて、味方から殺されたという事を当時の旧日本軍兵士が語って(NHK戦争証言)います。1942年のミッドウェー海戦の時に海軍空母を4隻ほど失って以後は、勝算など無い戦いであったのにも関わらず、戦争は継続されました。
旧日本軍も何も分かっていないほど馬鹿ではなかったので、アメリカ軍が日本以上に力を持っていたという事は知っていたという事が分かっています。しかし、やはり情報戦の重視においてアメリカと差があり過ぎたのだと思います。ミッドウェー海戦にしても、暗号解読によって作戦はアメリカ軍にバレバレでしたね。情報の重要性というのは、過去も現在も変わる事はありません。的確な情報が無ければ「アメリカ軍は弱虫だ。竹やりで勝てます」のような根拠ゼロの事すら信じてしまうようになります。教育水準が高いというのは、持っている情報量が多い事に加えて、情報分析力が備わっているという事になりましょう。
最近、2008年頃に航空自衛官で第29代航空幕僚長の田母神俊雄さんが書いたとされる「日本は侵略国家であったのか」という文章を読んでみました。中学生が書いたかと思われるような幼稚で腐った文章と、根拠の無いふざけた歴史認識は、誰か書いたかと思ったら自衛隊のトップだった人だそうです。自衛隊の司令部がこんな幼稚な論文とも呼べないような日記を書くような馬鹿であるならば、自衛隊が戦争でどんなに弱いか想像が付きます。自衛官の皆さんは、こんなアホなトップの下で働くのはウンザリしている事でしょう。自衛隊には「日本を守ってくれる」と期待していたのに、このトップを見て「いざとなっても期待できない」と再認識しました。
現在の若者は小さな頃から大衆教育を受けて育っている人が多いので、自分で独自性を打ち出していくのは非常に難しいでしょう。しかしながら、若いという事を武器として独自性を打ち出せなければ、日本の経済衰退に巻き込まれて生活の質が大きく下がってしまう恐れがあります。若い人は、若さをいかして独自性を追及する事によって、日本の沈没に巻き込まれない方法があるのではないかと思います。日本において、そうした自分の道を追求する事は非常に困難ではありますが、不可能ではないと思います。
高校まではともかく、日本の高等教育には昔から競争力なんてなかったし、今でもないでしょう(逆に言うと大してだめにもなってないのかもしれません)。
あと、年功序列なんてきちんと保存されている大企業まだあります?
コメントありがとうございます。
英語の教育を材料に出しているようにここで高等教育は、大衆教育と言われる高等学校の教育を想定して書いていました。確かに一般的な高等教育と言えば大学でした。言葉不足で誤解となってしまい申し訳ないです。
年功序列に関しては、以前と変わってきたにせよ、個人的には日本では維持されていると思っております。ただし、この文章では年功序列についてはあまり触れておりません。