将棋のコンピューター将棋は、初期の頃から最近に至るまでは、自然な指してを評価する手法が用いられてきました。これは、コンピューターの性能が足りなかった為です。HNKの2000年頃の番組では、将棋の次の指してが80通りあるとすれば、コンピューターが全部の手を読んでいたのでは、80の115(プロの手数)乗をすると、10の220乗となって、コンピューターの能力では4手先程度までしか読みきれないとしています。この為に人間が良くある(自然な指し手となる)10通り程度に絞った上で選択を行うというものでした。
しかし、このように10通りに絞れば先を読むのは2倍の8手先まで可能になりますが、この手法では通常は使われない70通りもの方法を無視する事になっていました。また、この10通りから選択する時の評価関数を将棋の製作者が決めるので、将棋の製作者の強さが将棋に反映されてしまうという事が起こっていました。この為に「大局観」を見るというような将棋を行っているプロ棋士の足元にも及ばなかった訳です。
このような流れを変えたのは、チェスの世界でも用いられている「全幅検索」でした。2007年に渡辺竜王と対戦したボナンザはこの全幅検索を用いたものでした。このボナンザの強さは、江戸時代まで遡ったデーターの中で、ありとあらゆる将棋の手の中から、その中で最良と判断された手をさすというものでした。つまり、今まで起こった大量の局面の中から頻出する要素を評価関数を自動的に生成するというものでした。これは、人間の行った過去のデーターを分析して大局観を覚えさせようという試みでもありました。
参照:コンピュータゲームプレイヤの静的評価関数の自動生成に関する研究動向
http://www.logos.ic.i.u-tokyo.ac.jp/~miwa/papers/seminar/rinkou4.pdf
コンピューターが人間に勝てない理由
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