ユニクロ旗艦店戦略と不動産

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最近、不動産について書くことが多いのですが、そちらの方をいろいろ見る機会が増えているのでご了承下さい。さて、今回はユニクロの旗艦店戦略について書きたいと思います。日本は景気が悪くて、百貨店の売り上げは大きく落ち込んでいると言われています。そんな中においてユニクロは、小売業の「勝ち組」と言われています。この理由は、今の所は日本では珍しいトップダウンが有効に機能している為と考えられます。

ユニクロの旗艦店戦略(Flag Store Strategy)というのは、ご存知の方も多いかもしれません。実際にこうした旗艦店戦略というのは、他のファーストファッションブランドが行っていた戦略をユニクロが取り入れたものです。例えば、GAP、ZARA、H&Mなども同様の戦略で拡大を取っています。ユニクロは、こうした旗艦店戦略を企業の国際的な知名度を上げる1つの戦略として活用していく道を選択しています。

 

この旗艦店戦略というのは、良いものを作ったら売れるという考えには基づいておらず、良いものを作る以上にさらにブランドの浸透を図る戦略です。2001年9月からユニクロはイギリスに店舗を次々とオープンしていますが、この時には店舗数の増加だけに目を取られており、単純に知名度の浸透=店舗数と考えて失敗しています。グローバル旗艦店戦略というのは、店舗数の確保以前にブランドの知名度を上昇させて、その後に店舗数の確保を狙うという戦略です。

実際にこのイギリスの失敗は、店舗数の増加だけではなくて、柳井正氏の著書の一勝九敗によれば「イギリスの老舗デパートでの勤務経験のある人を社長に採用したが、イギリスの文化の反映もあって、保守的な経営陣や組織になった」事も原因のひとつであるとされています。経営者から店員まで、それぞれに階級・階層をつくり、壁ができてしまったというのです。イギリスに住んでいると、それはあり得ると思ってしまうような話です。

このような失敗はユニクロに限った事では無くて、例えばGAPなどに行っても店員などは全くやる気なく、イギリスではどの店舗もそんなものです。そのようなやる気が無い店員の中で、どのように売れる商品を提供していくのかという事も重要になります。欧米においては、店員がどこでもそんな態度なので、それは皆で諦めるしか無いと思っています。逆に言えば、そんな店員やUKのトップに頼らず、トップが全体的に優れた戦略を求められるという事でもあります。彼らは成果主義の真髄を良く知っていて、努力してもどうせ階級や給料は上昇しないし、店の売り上げが悪いのは衣類などトップの責任だと思っているので、最低限の仕事しか行いません。

このグローバル旗艦店の戦略(Flag Store Strategy)は、ユニクロのグローバル中核戦略となっていきます。各国を攻略する為には、その中核となる都市に知名度の為の拠点を作って、それから市場の拡大を図るという考え方です。各国の一等地に出すので、不動産の賃貸費用が固定費として重くかかってきますが、それ以上の知名度の上昇が果たせれば、その後に成功できる可能性は高まるという戦略です。

この戦略に基づいて、グローバル旗艦店として初めて出店されたのは、2006年11月10日にニューヨークのSOHOにオープンした大型のユニクログローバル旗艦店です。次いで1年後の2007年11月7日にロンドンのオックスフォードストリートに旗艦店を出店、2009年10月1日になるとパリオペラの前に世界で3番目のグローバル旗艦店「パリ オペラ店」を出店しています。アジアでは、2008年8月に北京の再開発築である三里屯Villageにユニクロ旗艦店をオープンしています。

この三里屯を開発したのは、香港の超巨大財閥であるスワイヤーグループの傘下企業であるスワイヤー不動産です。この地域の土地を獲得して、幾つか小型のビルを建設しましたが、その中のひとつのビルを丸ごとユニクロが借りる事になったのです。このような流行に敏感な目立つ場所を上手に確保する実力が必要になります。このユニクロが借り上げたビルの横には、アディダスがります。

いずれも、オープンの時には出来る限りオープン前に広告を出す事によって行列を作らせたり、同時にイベントを企画するなどして、メディアなどを騒がせて話題作りによる知名度の向上を狙っています。日本では無敵の知名度を誇るユニクロですが、海外での知名度はほぼゼロです。今後は、海外戦略をどのように進めていくかという事が、成功のキーポイントになると考えて良いでしょう。

今や日本の銀座は、ファーストファッションの集積地となっています。銀座には、米系のフォーエバー21、米系のGAP、米アバクロンビー&フィッチ、スペイン系のZARA、スウェーデン系のH&Mなどが次から次に出店して、激烈な競争を繰り広げるようになっています。こうした反動を受けて、日本の百貨店などにお客が集まらなくなり、百貨店の売り上げと地位は大きく低下しています。日本の百貨店は、消費者の動きに既に付いていけない状況で、価値を提供出来ていません。

日本の百貨店の場合には、本来の価値を崩して大量出店したので、今ではかなり厳しい状況に陥っています。日本においては、単に大量出店して売れるような経済成長は終わったので、百貨店は自分たちの持っている値観を見直す必要があります。ユニクロなど安い商品が売れるので、安い商品を売っていくというのは百貨店のブランド価値自体を低下させます。しかし、高級な物を売ろうとしてもなかなか売れないのです。つまり、求められているのは「高そうなのに安い」というラインである事が分かります。これが外観が高くて、中身が安いという旗艦店戦略のイメージに直結します。

私はイギリスのオックスフォードストリートで各ファーストファッションの店舗を見ましたが、ユニクロには物足りなさを感じました。ZARAは値引きで本来の20%の価格で売っているのに対してユニクロは値引きが無い上に、ファッション性ゼロです。ユニクロは、ZARAやH&Mが最先端のファッションなのに対して、毎日着られるベーシックが中心ですみ分けできるとしていますが、私は住み分け出来てないと思います。若者にとってのファーストファッションでは、毎日がファッションで、ユニクロの物足りなさは否めません。


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このページは、中国株ファンが2010年3月19日 00:00に書いたブログ記事です。

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