先ず、ここ数年で中国で500万人以上が大学卒業生として就職を探すようになっています。日本は60万人程度なので、およそ8倍が就職を探している事になります。しかし、実際に大学生が探しているホワイトカラーの職業は、上海にすらそれほど多くなく、ホワイトカラーの仕事は「奪い合い」の状況です。日本の大学生がエリートでも何でも無くなったように、中国の大学生もエリートでも何でもありません。結果として、就職率は60%前後であると言われています。希望する職業に就ける人などほんの一握りという事でしょう。とりあえず大学院に行くという事で、大学院生までも爆発的に増加しています。
中国の若者が仕事を探すのが大変という事で、ホワイトカラーの仕事がほとんど無い中国で、労働供給が過剰な状況になっています。新卒の需要と供給のバランスが悪くなっており、結果として新卒の採用賃金がここ数年でほとんど変わらないどころか、下げている企業があるほどだと言われています。新卒を採用する時に、企業がお願いしなくても就職説明会では、企業ブースでさえ長蛇の列です。面接までこぎつけるのも大変な状況となっています。
2007年9月に放送されたNHKの「人事も経理も中国へ」という番組で放送されていたように、日本のホワイトカラーの業務を中国に移転する企業は、その数を急速に増やしています。人事や経理というのは、今までは典型的な日本企業の経営中核として、企業を支えてきました。しかし、さいきんでは アウトソーシングされるようになってきているというのです。同じ大学卒業生を日本の4分の1から5分の1の給与で採用できますし、しかも労働供給が豊富なので、大量に質の良い人材を確保する事が可能だからです。
ここで考えて欲しいのは、職場で働いた経験が、本当に自分にしか出来ない仕事なのか?という事です。マニュアルを作成して、パソコンなどを得意とする若者に外注した方がずっと効率が良くて安上がりに出来るというものです。実際に人事や経理が中国に発注されており、高い効率を上げています。日本の失業率は、中国に雇用を奪われる事によって今後は上昇を余儀なくされる事は間違いなさそうです。
日本では、不景気だ、景気が後退しているのだと、まるで経済が一時的に悪いような書かれ方がされていますが、経済が悪いのは、一時的な問題ではありません。失われた10年と言われて来たものが、既にバブル崩壊から数えて20年になろうとしており、経済状況は更に悪化しようとしています。日本の企業が中国の安い労働力に対応する有効な方法は、今のところ中国に企業自身が安い労働力を求めて移動するという以外には考えられません。
日本の大学生は、単に日本人であるというだけで就職が容易な時代は過ぎ去り、中国の数百万人にも及ぶ大学卒業生と職を奪い合うという事になってきているのです。大学卒業生であっても職業の奪い合いになっている状況ですので、高校卒業生であればなおさら厳しい状況に立たされるという事は容易に予想出来ます。
一度就職に成功したからと言って安心してられません。何故ならば、会社などが倒産して会社を辞めた場合などに、その経験を重視されるとは限らないからです。例えば、日航などの航空会社のアテンダントとして働いていて、航空会社を辞めた場合に、次の類似就職先を見つける事は非常に難しく、見つけたい場合には言語の能力など強力な武器を磨いておく必要がありそうです。
こうした事を総合して考えると、今後は日本の労働賃金が下落に向かうと同時に、日本は悪循環の中で更なる経済状況の悪化を経験する事になります。それだけならまだ良いですが、税収の減少などから国家破綻の可能性が少しずつ高まってきています。会社員の給与は300万円程度の収入の人が大量に出てくる事が予想されるのと同時に、公務員の給与も大幅引き下げが行われる事は確実と考えます。
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