2007年に中国に麻薬を密輸した罪で中国で裁判にかけられていた英国人アクマル・シャイフ被告(53)に対しての死刑が、12月29日に執行される事になっています。幾つかの報道によれば、被告は2007年9月にタジキスタンから空路で中国・新疆ウイグル自治区のウルムチ空港に入国した所で、スーツケースから麻薬ヘロイン4キロが発見されて中国当局に逮捕されたという事です。2008年11月の一審で死刑を言い渡され、上訴していました。しかし、12月21日に最高人民法院において死刑が確定して29日に執行される事になりました。
中国では、アヘン戦争などで国が混乱した歴史的背景があり、麻薬などの薬を非常に厳しく取り締まっています。この被告のスーツケースから見つかった麻薬の量は、4キログラムと多量であり、仮にこの被告が持ち込んだとすれば、中国の法律に照らし合わせた場合には、死刑以外は選択肢が無いという事です。英人権団体や弁護団によれば、この被告には精神疾患があり、この被告が持ち込んだスーツケースは、中国でナイトクラブを経営しているという別の男性から預けられたものであり、「中身は知らなかった」と主張していました。
欧州連合(EU)市民が中国で死刑を執行されたのは、1951年に毛沢東の暗殺を企てたとしてイタリア人と日本人が死刑になって以来初めてという事です。この中国の厳しい措置に対して、英国ブラウン首相も異例の「寛大なる措置」を求めていて、この被告の家族も何度も嘆願書を提出していますが、中国の主権という事もあって聞き入れられる見込みは非常に薄いとの事です。欧州連合では、既に死刑制度が廃止されており、国民に対する死刑は行われませんが、海外で執行される死刑に対しては欧州連合も手の施しようがありません。
中国では、日本人が中国や香港から覚せい剤を入手して日本に持ち出そうとする例も増えています。中国を初めとする海外の国々に出入国する際には、他人の手荷物を預かったりしない事に注意すべきです。また、僅かな報酬で「運び屋」を頼まれる事がありますが、断固として拒否しなければとんでもない事になってしまいます。知らない人や中身の分からない荷物の運搬は絶対拒否しなければなりません。
もし、犯罪に巻き込まれたとしても、中国における外国人犯罪は中国政府が裁くという主権があるので、基本的に日本政府が干渉する事は全く期待出来ません。中国では死刑確定後の即時執行が一般的で、家族などによる減刑嘆願も効果はほとんど期待出来ないと言われています。このような重罰を避ける為には、個々の責任ある行動が求められます。
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