日本におけるワーキングプアの問題

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最近、このブログが「社会派ブログ」になってしまっていますね。ただ、経済学はSocial Scienceに分類されるので、経済を考える時に様々な社会の角度から考えて見るのは良いと思います。ワーキングプアに「チャンスがほとんど無い」というのは事実だと思います。ただ、ワーキングプアの賃金を上げたり、ワーキングプアの人たちにお金を上げて解決するのは、問題をより深刻化させるだけだと思います。ワーキングプアの人に足りないのは、ワーキングプアから抜け出す技能であったり、学歴、および技術です。

中国などの新興国では、高学歴の人が安い賃金で働いています。グローバル化の中で世界がフラット化してくると、国による賃金格差が是正される傾向が出てきます。つまり、能力に応じて賃金が決定するようなシステムが一般化してしまいます。そうすると、日本の仕事で「発展途上国でも可能と見込まれる仕事」など、つまり高度化されていない仕事=高校卒業程度のレベルで研修を積めば可能な仕事は、全て発展途上国で済むという事になります。現在は、その移行期であると考える事が出来るでしょう。

日本では、例えば高校などへの進学率が2008年度に97.8%という数字で、国民全体で見た高等教育を受けている人は、世界でも相当に高い類であると言えます。世界トップ10に入る人口に加えて高い教育水準を実現した日本は、経済で世界トップ水準となりました。日本の教育熱心さは、国民の勤勉さ、治安の良さ、技術の高さなど良い面に結びついています。

しかし、最近では発展途上国の情勢が安定して、各国が競って教育に力を入れ始めた結果として、世界中の貧困層なども教育の必要性を認識するようになってきました。高校レベルの内容であれば、多くの国で教育を受けられるようになり、その結果として日本から産業移転が急速に進む事になったのです。

日本がピンチな理由をいくつか述べれば、1)世界の高等教育化が急速に進んでおり日本の教育水準が相対的に高くなくなって国際競争力を失う、2)急速な高齢化によって(2007年9月の時点で65歳以上の高齢者は2744万人で人口比21.5%)経済が低迷する、3)国家財政が圧迫されて下手をすれば財政破綻を引き起こす、4)規制緩和が行われる事になるので、個人格差、地方と都市の格差、企業間格差が発生しやすくなる。このような状況は、人口ピラミッドが関係するので、止める事はもはや不可能と言われています。

今まで日本に貢献して下さった多くの高齢者を大切にしていく為には、国家として国際競争力を維持していく必要があります。その為には、より多くの移民であったり、急激な規制緩和など現在の国民に大きな負の側面を求める事になるでしょう。そうなれば、競争力がある人は良いとして、競争力が無い日本人は、大きく突き落とされる事になります。現段階では、少しずつそれが進行している状況です。

例えば、地方が経済を維持していく為には、どうやっても若者が労働して多くのお金を稼ぎ出す必要があります。しかし、地方には優秀な若者を採用する雇用機会が失われているので、生産力が高ければ高いほど都市部に若者が集中する傾向があります。イギリスでは、そうした事を防ぐ為に「大学ビジネス」に力を入れており、多くの大学でおよそ半数が外国人という状況が作り出されています。

アメリカ、イギリス、オーストラリア、ニュージーランドなどは、英語圏である事が強みとして世界中から学生を集めて大学を完全なビジネス化しています。このビジネススタイルは、少なくとも中国が世界のトップに立ち代る程度になるまで続くものと考えられます。日本などは、更に競争力を失う可能性があるので、自国語を学ぶのではなくて、更に英語や中国語をスタンダードにしていくという矛盾が生じます。

日本は規制緩和されてしまうのですけど、政府などが弱者支援を行わない形での規制緩和は弱者にとって明らかに不利な制度となってしまいます。そうするとマーケットで活躍した強者が弱者に対して労働対価などを通じて「直接支援する」という形をとっていきます。社会全体がこうした形を取る事によって、弱者は更に不利な状況に立たされるようになります。勝ち組以外は、特に素晴らしい技術でも伴わない限りは、全て大きな負け組み=ワーキングプアに転落する危険を秘めています。

両親の所得の格差は、完全に教育の格差に結びつきます。何故ならば、高校、大学というのはぎ無教育とはなっていないからです。既に国際的な競争力を維持する為には、高校の義務教育化だけではなく、大学の義務教育化すら必要とされています。今のグローバル社会の中で国民全体の所得を上げる為には、全体の教育水準を国際的に通用するレベルまで更に高める必要が出てきています。このような状況を国民全体が理解する必要があるのです。

かつてアジアにおいて、欧米を上手に真似たのは日本だけでした。その唯一、欧米を真似してうまくいった日本は、既に他の国が真似する事によって競争力を大きく損なおうとしています。別の国と同列の方法では、埋もれるだけであり、斬新で新たな競争力を維持する方法論が必要になっている事は明らかです。


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このページは、中国株ファンが2009年10月 7日 00:30に書いたブログ記事です。

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