民主党政権が勢い良くスタートを切りましたが、野中財務副大臣が10月16日に記者会見で明らかにした所では、一般会計の税収は、40兆円を下回ってくるという事です。当初の見込みでは46兆円を見込んでいたので、6兆円のマイナスになります。その分を国債の発行で埋めると言う事です。このような経済状況が長引けば、国債の発行残高はこのまま増加傾向を続けて、いずれは国家破綻が起こる事は確実です。しかし、このような経済状況は確実に長引く見込みとなっています。
国債の乱発によって、債権の価格下落が起こる可能性があり、長期金利の上昇は避けられません。今の日本では、インフレが起こっておらず、むしろ円高による海外からの輸入品に後押しされる形での「デフレ」が進行しています。このような状況における長期金利は、物価安定予想によって低くなります。つまり、債権を買っておくと得だという考え方が支配的となり、債権価格が安定しています。日本の景気は確かに悪いが、海外はもっと信用できないので円は高く付いており、結果的に日本の債権を乱発しても買い手が付くような状況になっています。この状況がそれほど長く続くと考えるのは安易です。
このまま国債の乱発が続けば、買い手の不信感が高まり、日本の長期金利が不景気の中でも上昇し始める可能性があります。長期金利の上昇は、銀行から企業への貸出金利にも影響を与えます。国が借金を行っているにも関わらず、企業への貸し出し金利が上昇する可能性があります。そうなれば企業は窮地に陥る事になります。
そもそも、日本政府の信用は企業の内部留保であったり、個人の貯蓄などに裏打ちされて信用力が保たれています。日本政府は、国の信用を失わない為に財政を健全化する必要が出てきます。具体的には、何らかの形で(消費税など)税金の値上げを決行する事になります。強い国際競争にさらされた企業活動に影響を及ぼして経済活動を衰退させる訳にはいかないので、個人から税金を取る事になります。つまり、個人の貯蓄部分を切り崩させる方法を取ります。切り崩せる貯蓄がある人は耐えしのぎ、それが無い人は極度な貧困状況に陥る構図が完成します。
政府の財政再建に消費税が有効なのは、消費に対して税金を課すので、経済活動をあまり行っておらず収入が少ない人であっても支払わせる点です。つまり、富裕層であろうが、貧困層であろうが無かろうがとにかく税金を払えと言う点です。もし、こうした税金スタイルが貧困層を悩ませるので止めるという事になれば、累進課税のカーブを今以上に上昇させるという方法もあります。例えば、プロ野球選手の年俸1億円であれば、現在は40%の税率が適用されますが、これを60%まで上げるなどという考え方です。
日本の一般会計を見ると、法人税、所得税ともに緩やかに落ち込んでいます。消費税のみが安定税収となっており、10兆円をキープしている状況です。消費税は「景気に左右されない税収入」で安定的に供給されますが、所得税や法人税などは経済状況によって上昇もしくは低下します。今後の少子高齢化を考えると、労働生産性が多少向上した所で、この所得税や法人税が大幅に上昇に転じるとは考えにくいものがあります。
日本では、高齢化は自然に(少なくとも政策面での少子化は無かった)起こったにも関わらず、急速な高齢化が起こっています。これは、日本の団塊の世代付近が企業の生産活動に集中して世界的な競争力を付けた所までは素晴らしかったのですが、その代償として少子高齢化を加速させてしまいました。ただし、中国などの人口ピラミッドを見ると、高齢化は日本以上に急速に進むものと考えられています。
結論として、このような国家が税金の落ち込みを補って国家の信用を保つ方法を考えてみたいと思います。先ず、少子高齢化が起こっているので高齢者の雇用を促進するのは、年金を支払わないというメリットが発生する半面で、若者の雇用を奪うという側面も持っています。将来の投資という点で考えると、若者の雇用機会確保の方が重要に感じます。年配者が働き続けると言う事は、年配者が働く事によって若者の結婚や家を建てる資金に充てるという事を意味します。政府が打った政策は、こうして各家庭のパワーに転化される事が分かります。
少子化対策として、毎月毎月子供が居る家庭に一定額の金額を配分する事は、確かに一定の有効性はあると考えられます。しかし、支出に対する税金を一定額支払っているとすれば、それに対する返還金の意味合いにしかなっておらず、その財源を捻出する為に増税を行ってしまうのであれば、結論として「何も変わってない」という状況を作り出します。しかし、近い将来に増税が行わなければ、日本は破綻すると言われています。
こうした状況を打開するには、やはり海外から外国人を受け入れて、人口問題を解決する以外に考えられないと思います。高齢者を支える部分を日本に移住に来る外国人から徴収しようという考えです。こういった政策によって人口ピラミッドを操って、若者を増やしていく必要があります。それによって経済を再び活性化する方法以外に日本を立て直すのは難しいのではないかと思います。
しかし、ここで最も問題になるのは、日本のマネジメントシステムでは、海外から人を呼び込めないという点です。イギリスやアメリカのように他民族化していない日本では、完璧な日本人の観点で、終身雇用や年功序列が維持されているからです。こうした事を踏まえて考えると、日本が海外から外国人を受け入れる方法も現段階においてはほぼ不可能であると考えられます。つまり、日本はこのまま経済停滞状況がずっと長引いていく可能性が高いと考えられます。
このような状況で所得格差は拡大します。何故ならば、過去と同じように働き続ける人と、そうでない人という二極化は避けられないからです。どちらもまた、経済的、もしくは別のところで代償を支払う事になります。しかし、人間は生存する為に生産活動を行わなくてはいけませんので、前者の方が後者よりも優位な立場に立っている事は確かです。
奇跡とまで言われた経済成長の代償はあまりにも大きなものだったのかもしれません。
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