アメリカ式金融資本主義の失敗

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閉塞経済という本を読みました。2008年11月に発行されており、アメリカのサブプライムローンの失敗などについても書かれているので、内容としては面白いと思います。日本が「金融立国」のスローガンの下にアメリカを真似して金融緩和を進めてきましたが、そのアメリカが金融危機を引き起こして、アメリカが行ってきた直接金融に問題があった可能性を露呈しています。日本もその後ろ側を追ってきた訳ですが、それ自体が誤りだった可能性が出てきました。

この閉塞経済という本と、ルポ貧困大国アメリカという本を一緒に読んで見れば、現在のアメリカに起こっている問題を考える上では十分に役に立つと思っています。日本でも、アメリカでも、大学を出たホワイトカラーの給与は下がっています。日本でサラリーマンの給与が減少している事は実感されている方も多いと思いますが、上記の書籍によればそれはアメリカでも同じという事です。「中流」という定義は、企業で正社員として終身雇用システムに乗って働くという意味で使われる事が多くありましたが、今ではそのような形態で働く事は必ずしも中流を意味しなくなって来ています。

サラリーマンなどの収入が減少していく理由としては、やはり人材の供給過剰が考えられます。グローバル化の中で、大学卒業などの人材は山のように溢れるようになっており、単に学歴というだけでは価値を持てなくなってしまったのです。それでは、中国などの人材と競争しているので、強烈な労働賃金下落圧力がかかって、それは年々強くなります。このような不安定な状況では、住宅の為に長期的ローンを組む事は難しくなります。

日本の高度経済成長で目標とされたのは、アメリカのような「豊かな」生活スタイルでした。高度経済成長の中で、広い土地の広がる郊外に1戸建ての家と、ホワイトカラーで高収入の夫、広いキッチンに可愛い3人の子供というような典型的な中流家庭は、団塊世代の多くが夢見た姿でした。1970年に1億人を突破した日本の人口と共に「1億総中流」という言葉が形成されました。

本来は、郊外のマイホームは2000万-5000万円という価格帯であり、庶民にとってはとても買えるような価格帯ではありませんでした。しかし、日本式の「終身雇用」が定着して雇用の安定が実現した結果、マイホームのローンが組みやすくなり、多くの団塊の世代は長期的なローンを組んで、マイホームを購入する事になります。現在の定年退職を迎える60歳前後の人は、この団塊の世代に当たります。

日本でも、終身雇用や正社員などの働き方が一般的でなくなってきており、そのような状況の中で長期的なローンを組む事は非常に難しい事になっています。長期的なローンというのは、安定して働く事が前提となっており、そうした働き方が出来なければ、万一職を失ったときにローン地獄に陥ってしまう危険性があるからです。まして、数千万円の借金は、収入が少ないワーキングプアレベルの労働者では難しく、更に無職が返せる金額ではありません。

経済成長というのは、もともと1つの権威や基準に基づいて、競争を行っていく事を示してるとします。例えば、学歴社会の場合には、教えてくれる内容が本当に必要なものであるかどうかは問題とされず、とにかく学校の要求される授業の課程にしたがって学位が与えられます。しかし、それが本当に社会で必要とされる内容かどうかというのは別の問題であり、このGAPは博士などで特に大きな問題となっています。また、一度就職したからといって、企業内部で能力が身に付かなければ、リストラされたら再就職が難しいという問題も発生しています。

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このブログ記事について

このページは、ヒロポンが2009年10月15日 14:51に書いたブログ記事です。

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