米国のドル高を支える債券

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2001年12月に中国がWTOに加盟して以降、中国と諸外国の貿易は急速に拡大しました。WTO以後に外資などが会社や工場を中国に親切した事によって、中国は海外から原料を輸入してそれを加工して輸出するという中継地点として中国は急激な経済成長を遂げる事になります。安価な労働力を背景として、特に米国向けなどの輸出を増加させました。

中国の貿易拡大は、国際的な決済通貨であるドルの需要を拡大させました。決済通貨であるドルが買われる傾向となり、米国の金融が大きく発展しました。イギリスのロンドンシティ、ニューヨークのウォール街にはお金が集まって、原油高と株高が同時に進行しました。急速に進展したグローバル経済の中で、通貨、市場共に信頼度の高い国に資金が集まりました。

ドル高が進行すると、アメリカとしては景気が過熱気味になるので、それを抑える方法は財政政策と金融政策の2通りほど考えられます。財政政策の側としては、債券発行で市場からの資金吸収する事でバブルを沈める方法があります。他にもドルを大量に発行してドル安を起こすという方法もあります。また、金融政策の側としては、金利の上下によって市場に出回る通貨をコントロールするという方法があります。

金利の上下によって市場に出回る通貨をコントロールする方法は、大量のドルによってその意味を消失してしまいました。FRBが銀行に貸し出す際の短期金利を引き上げても、銀行が市場に貸し出す際の長期金利が上昇しない状況が発生してしまいました。これを当時のグリーンスパン議長は「謎」と表現しました。FRBは、市場をコントロールする金利の調整弁が失われた事によって、米国の景気を調整出来なくなりました。

当時の状況として、米国の銀行に金余りが発生していました。市場に資金を提供する銀行は、FRBの指示に従って長期金利を引き上げるよりも、短期金利の上昇分を銀行が吸収して、長期金利の金利はそのままで貸し出していました。銀行の利益を継続する為には、顧客に貸し出すのが最良と考える銀行が多かった為です。

米国は、日本や中国などに対する貿易赤字が膨らんでいたので、日本や中国が蓄えた外貨準備で債券を購入して貰っていました。これは、アメリカのドルを債券という形に変えて買い込む事になるので、ある意味でドルを吸い込んで「ドル安」効果が得られます。ドルが世界中で大量に出回っていたとしても、債券を発行してそれを買い込んでくれる国があれば吸収出来ます。ドルを決済に使う国があるので発行するとドル高になるが、それを債券で吸収してドルは一定ラインを保ちます。

アメリカの債券を買っているのは、1位中国、2位日本、3位イギリスです。中国と日本は貿易で得たお金である外貨準備を使ってアメリカの債券を買っています。このアメリカの債券を誰も買わなくなれば、アメリカの債券自体が価値を失う事になり、債券価格が暴落します。実際にアメリカの債券を保有している国家は、ドル建てで発行されたドルが下落すれば、債券の暴落とドルの暴落によって2重の損失を出してしまう事になります。

アメリカは、今度は日本の為替リスクが無い「円建てアメリカ債券」の発行を企画する可能性があります。円建てアメリカ国債であれば、為替リスクを全面的に取るのはアメリカの発行側であり、購入者は為替リスクとは無縁で要られるようになります。日本の個人貯蓄は1400兆円とも言われており、アメリカの国債購入者としては申し分無いでしょう。

アメリカと世界経済としては、ドルが通貨価値を下落させる事は、アメリカの支払い能力を低下させるので、結果的に債券価値や不動産価値など国全体の価値が下落してしまう事になりかねません。そこで、世界全体としてアメリカの強いドルを支えていく必要性があります。ただし、アメリカの強いドルを支えるという行為自体が、アメリカに貿易赤字をもたらす原因となります。

常識的に考えれば、アメリカのドルと人民元はほぼ固定相場と言える状況です。通常は、固定相場を維持する為には、国際収支ができるだけ均衡するようにしなくてはなりません。国際収支が赤字が増えすぎたり、黒字が増えすぎたりすると相場が大きく動くので、通貨介入を行わなくてはいけなくなるからです。黒字が増えすぎると市場は、黒字で得た通貨ドルなどを自国通貨に換金してマネーサプライが高まります。逆に赤字が増えるとマネーサプライは縮小されて、放置すると金利上昇に繋がって、景気後退を招きます。

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このページは、ヒロポンが2009年6月18日 06:29に書いたブログ記事です。

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