GMの高級車販売のカラクリ金融会社GMAC

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米自動車会社最大手で、かつて世界一の販売台数を誇ったGM(ゼネラルモーターズ)は、破綻しました。GMは1908年に誕生した会社で、1931年から2008年まで77年間に渡って販売台数世界一のアメリカを代表する会社でした。8つのブランド(シボレー、キャデラック、GMC、ビュー一句、ボンディアック、ハマー、サターン、サーブ)を展開しており、高級車ブランド「キャデラック」は、アメリカ大統領専用車としても利用されています。また、スポーツ系の大型車「ハマー」は、アーノルドシュワルズネッカー知事もお気に入りで、アメリカにお似合いの車です。

80年代から原油価格の値上がりや環境意識の高まりの中で、顧客の嗜好がトヨタなどが販売する小型車が欧米で存在感を示すようになってきていました。しかし、GMは小型車がもともと得意では無かった事と、利益率が低かった事などによって、時代に逆行して大型車の販売を強化していく事になります。時代に逆行した大型車が売れたのは、GMのあるカラクリによるものでした。

GMの子会社に金融会社のGMACという会社があります。自動車が会社が金融会社を持つ理由には、GMの自動車を買って貰う代わりに、銀行よりも安く優遇された金利でローンを組めるようにする事で、GMの自動車販売を促進する事でした。通常の状況では、貸してのGMACが貸し倒れを防ぐ為に、貸し出しには「しっかりと返せます」という収入の状況などを審査する厳しい審査が伴います。

しかし、90年代から自動車販売に苦しんだGMは、子会社であるGMACのローン審査を甘くしていく事によって、低所得者でも高級車を買えるようにしました。2009年2月に放送されたNHKの「アメリカ発、世界自動車危機」によると、顧客が自動車販売店において、ローンを使って自動車を購入する際の記入項目は、名前、住所、生年月日、社会保険番号など僅か5項目のみでした。顧客は何の審査も受けずに簡単にローンを組んで高級車を購入できるようになっていたのです。ローンによる高級車販売は促進されて、家計のローンは増えますが、消費は活発になります。

しかし、このように誰に対してもローンを組ませてあげたのでは、ここには貸し倒れのリスクが存在する事になります。顧客がお金を返さなかった場合には、お金を貸し出したGMACの損失になります。そこで金融会社であるGMACは、この顧客のローン債権を証券化して、ウォール街に売り飛ばします。ウォール街では高度な金融工学を用いる事によって、ローン債権の表面上のリスクを軽減して、海外の投資家などに売り飛ばしていました。

2000年代に入ると、原油高が更に高まってきており、従来のローンの方法だけでは、販売が鈍るようになってきました。そこでGMが行った手法は、GMがGMACに自動車を販売した事にして、顧客がGMACから2年などのリース契約で自動車を借り入れて、その借り入れに対して顧客が一定金額を定期的に支払うという事にしたのです。この契約では、顧客は自動車を保有しておらず、自動車の「使用権」だけを持っている事になります。顧客の負担は自動車を購入するほど高くないですし、顧客は期限付きで高級車に乗ることが出来るので、飛ぶようにリースされました。

しかし、リース契約だからと言って、低所得者が確実に支払いを行えるとは限り居ません。債権契約と同様にリース契約にもやはり「貸し倒れ」のリスクはありました。そのリスクは債権よりは低くなりますが、顧客の支払いが行われなかった場合には、自動車外車GMACがGMから自動車を購入した分の代金を代わりに負担しなくてはいけなくなります。それを防ぐ為にGMACは、このリース契約の部分も証券化してウォールストリートに売り飛ばしていました。ウォール街に売ることによって、GMの販売量を伸ばすだけではなく、自社で手数料を稼ぐ事も出来ました。

リース契約には2つの大きな問題が出ていました。ひとつは、リース契約自体は安い一定金額を支払えば良かったですが、大型高級車は小型車と比較して燃費が悪く、リース自体が安くても原油価格が安くなければ、維持費としては高くなってしまいます。また、リース契約を終えた自動車は、中古車として販売されます。しかし、原油高の中で実際に販売される大型高級車は人気が無くて、安値で取引される事になりました。

GMは退職者などに医療費などを保証しており、莫大な金額を支払っています。ミシガン州の全米自動車労働組合など、労働組合への待遇が経営圧迫の一因とも言われています。債権者に対しては、GMの株式と引き換えに債権を放棄する事を提案しました。しかし、債権者は今さら紙くず同然となったGMの株式を誰も要らないというのは当然の事です。

2006年7月に米自動車最大手GM(ゼネラル・モーターズ)の金融子会社GMAC(ゼネラル・モーターズ・アクセプタンス・コーポレーション)は、株式会社からLLC(有限責任会社)に転換しました。GMは、その後にGMACの51%株式を投資会社サーベラス・キャピタル・マネジメントに売却しました。

2008年9月3日のブルームバーグでは、米金融サービス会社GMACが住宅金融子会社レジデンシャル・キャピタル(ResCap)の全従業員の60%に相当する5000人を解雇し、住宅小口金融の全200店舗を閉鎖する計画を明らかにしています。

米財務省は2009年6月2日に自動車大手ゼネラル・モーターズ(GM)の金融関連会社GMACの普通株35.4%を取得したと発表しました。昨年末に実行したGMに対する融資8億8400万ドル(約845億円)をGM保有のGMAC株と引き換えたとの事です。破産法の保護下で再建を目指すGMについては財務省が支援の見返りに60%の株式を握り、国有化することになっています。

アメリカ発世界自動車危機
http://www.nhk.or.jp/special/onair/090202.html

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このブログ記事について

このページは、ヒロポンが2009年6月21日 20:00に書いたブログ記事です。

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