笑えないジンバブエのインフレーション

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日本のデフレが長く続いて、物価下落が起こっています。金利は最低レベルの0.01ポイントを記録しており、アメリカでも0.25ポイントと、日米揃ってゼロ金利政策となっています。日銀やアメリカのFRBがお金の価値をコントロールする為の1つの手段が金利なわけですが、お金の価値をコントロールする手段をほとんど失っています。今後、各国の中央銀行がお金の価値をどこまでコントロール出来るのかが注目されています。

スイスでは、3月12日に行った金融政策決定会合により、利下げを行うと同時に外国通貨を買ってスイスフランを売るというデフレ防止の介入を行っています。通貨価値をコントロールする手段として、自国通貨を売ろうという先進国ではタブーとされてきた措置です。問題は、各国がゼロ金利に直面して政策手段を失う中で、各国が自国通貨を売り始める事です。
日本なども円安になれば輸出に有利になるので、円売りに積極的に介入する可能性は十分にあり得る話です。現在の状況では、日本の政治状況などが不透明な事や産業がダメージを受けている事によって、自然な円安が進む可能性を見極めている最中といった所が予想できます。日本の経済水準からすると、円安が自然に進む事は十分に考えられる事ですが、各国の利下げ状況や経済状況を見ると円安が容易に進むと見る事も難しくなっています。

日本の経済水準は、例えば株価を見ると82年の水準で26年前の水準まで戻っています。私が見たデーターやグラフの範囲では、日本の経済力や物価などもおおよそ26年前の水準と見て良いと思います。80年前半の状況から現在の状況を振り返る事で、どのように為替が動いていくか今後の状況などを考えてみたいと思います。

80年代当時のアメリカは、インフレを抑制する為に高い金利によって、世界中からドルに資金が流入していました。単純に米ドルの金利が2桁にも達する高さであったので、米ドルが高くて日本円が安かった理由です。アメリカではインフレが一段落してくると、積もりに積もった財政赤字と貿易赤字(いわゆる双子の赤字)が問題になっており、日本との貿易摩擦が深刻化してきます。

そこで85年9月にプラザ合意が行われる事になります。プラザ合意が行われた時の日本円は1ドル240円程度でしたが、それから88年暮れにかけて120円まで上昇するという急激な円高となりました。これによって発生する輸出企業の打撃を支える為に金融緩和などを行った事でバブル経済が発生しました。その後に緩めすぎた金融によって発生したと言われるバブル経済が崩壊して現在に至ります。

現在の状況は、当時の世界の状況よりも更に複雑化、グローバル化してきています。更に各国がゼロ金利政策をとってくる事によって、為替が金利だけによって決まらない難しい状況ともなってきています。各国の思惑が入り混じりながら、各国がいっせいに景気が悪いような状況では、G7やG20が集まったところで、プラザ合意のような大胆な取り決めを行って、方向性を見つけるという事が難しい状況です。

第一次世界大戦後のアメリカの好況によって、基軸通貨がイギリスポンドからアメリカドルに変わって以降、アメリカドルが中心となって各国の通貨価値が決まってきました。しかし、米ドルが不況に押し費ってゼロ金利政策となって、基軸通貨の役割は弱まってきている感があります。しかし、これは相対的な取引である為に、米国はユーロや日本円に対してやはり優位な立場にあって、取引の中心にある事は揺らいでいません。

しかし、日本経済がこれほど不況であるにも関わらず、日本円がほとんど下落しないどころかむしろ円高に振れている自体に米ドルの価値自体が疑われても良いはずです。米ドルが下落しないのは、経済力以外の軍事力にも依拠しているので、その辺は複雑ですので米ドルが基軸通貨を保っている理由については割愛しておきます。

こうしていずれの通貨の価値も弱まっていくと、世界的にインフレが起こる可能性が増大していく事になります。かつては、基軸通貨というものが設定されていたので、世界のインフレは基軸通貨によって図る事ができました。しかし、今度の場合にはインフレは基軸通貨を持つアメリカで発生する可能性があり、それは金利を引き下げている現状で対応を取ることは難しくなっています。

お金は、その不安定さを払拭する為に、各国が世界の基軸通貨に対してどの程度信用力があるかという事で相対的に図られてくる事で価値を保ってきた事があります。しかし、基軸通貨が揺らいでしまうと、お金の価値が絶対的なものになってきて、より不安定なものになりかねません。世界全体のお金が価値を失いかねない事態すら想定しておかねばならないと考えています。人々がどの通貨を買っても信用できない、もしくは金利が低いとあれば、通貨を買わずに別の資産保有に動く事でインフレが発生する可能性です。

人々は、お金を持つ事に何も意味を感じずに、お金よりも物の保有にこだわり始めるという事です。

インフレが起きてしまうと、銀行に預けたお金は急激に目減りする事になるし、日常にかかる生活費が上昇する事によって人々の暮らしは苦しくなります。一般的には、銀行に預貯金が多いとされる富裕層などの暮らしも悪化する可能性があります。しかし、不動産などの資産はインフレが起きても価値は変わらないので、物の保有は有効に働きます。

そもそも、インフレが起こる原因というのは2種類あるとすれば、1つ目が需給のバランスによって物が不足するインフレです。皆が不足する食料品などを買いあされば、インフレは容易に発生する事になるが、通貨価値が失われたというよりは、物が価値を高めていると考える事が出来ます。つまり、付加価値が付いて物が高くなるのと同じ原理で説明出来ます。2つ目が政府の信用力など通貨の価値が信用を失って発生するインフレです。この場合には、何らかの形で通貨価値が失われて、物の価値が全く変わらないにも関わらず、支払う金額は上昇していくという事が発生します。

投資銀行が主体となった取引は、例えばベアスターンズのようにレバレッジを何十倍にもかけてお金を膨張させた取引などを行ってリスクを巨大化させた上で、ある市場や銘柄に対して「仮想のインフレ」を発生させて、通貨膨張によって膨大な利益を上げるという手法でした。また、別の投資銀行においては、CDSに見られるように自分たちがリスクを取らずに信用性の部分だけを切り離して転売したりする手法によって、信用というものをお金で図っていく試みをしました。ここで問題になったのは、本来は信用が無いものが信用あるように見せ掛けが行われる事で、通貨価値が歪んでしまった事でした。

1997年にアジア通貨危機が発生した事を思い出せば、今後の発生する事態を予測出来るかもしれません。1990年代に安い労働力をテコにして、東南アジア諸国などは年率10%近い急激な成長を遂げました。しかし、実際に成長が少しずつ鈍ってきた1997年頃にヘッジファンドがアジアの通貨に対して急激な売りを仕掛けた事によって、新興諸国全般の通貨は大暴落を起こします。

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このブログ記事について

このページは、中国株ファンが2009年3月14日 19:10に書いたブログ記事です。

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