香港市場は、もともと欧米市場(特にニューヨーク)の影響を強く受ける市場として知られていますが、米国のリーマンブラザーズ破綻以降は、ニューヨークと必ずしも連動して下げた訳ではありませんでした。H株指数は9000ポイント付近にて踏みとどまっており、ハンセン指数も18000ポイント付近にて踏みとどまっています。ただし、気になるのはアメリカの金融危機の影響を受けた欧州のニュースが増えてきた事です。
欧州は、2日の定例記者会見で政策金利を年4.25%で据え置くと決めました。米国の政策金利であるFF金利は既に2.0%まで下がっています。欧州と米国は、どちらもインフレの様子を見て利下げを行っていくと見られています。しかし、金融政策である利下げが、現在の市場にどれほど効果があるのかも疑問です。現在は、アメリカの法案で7000億ドル(74兆円)が上院、下院で可決されて大統領署名も終えました。この見込みが立っていたにも関わらず、金曜日に米市場がマイナスで引けた事が非常に気になります。
気になると言えば、週末に報じられた欧州4カ国首脳会談(独、仏、伊、英)が特に成果が無いままに終わってしまったのは非常に気になります。各国がお金を出し合って、フランスの提案によって3000億ユーロ(約45兆円)で基金のようなものを創設しようという動きもあったハズなのですが、ドイツが反対した事で実現しませんでした。金融政策も財政政策も行わず、何もしないという印象を受けます。
この首脳会談によって財政出動に反対したドイツでは、不動産金融大手ハイポリアルエステートが民間銀行団から受ける予定だった350億ユーロ(約5兆円)が、何故か白紙になってしまいました。これは、この不動産会社が資金が5兆円の融資だけだと足りなくなっていて、この融資したお金が返って来ないのを怖くなった銀行団が手を引いたのです。最終的に誰かがお金を出さなければ、この会社は潰れてしまうと思うのですが、ドイツ政府はどうするのでしょうか?
イギリスのノーザンロック銀行で「取次ぎ騒ぎ」の例があるので、ドイツではとりあえず銀行からお金が引き出されて銀行が資金に行き詰ってアメリカのワシントンミューチュアルみたいに破綻したら困ります。そこで、国民の不安を払拭する為に銀行にある個人預金に関して「全額保護します」という発表を行いました。EU圏でアイルランドやギリシャしか例が無く、主要国では初めての事です。マーケットを考えると、欧州の銀行もかなりダメージを受けているのではないか?融資が焦げ付いている例が増えているのではないか?と連想させます。
アメリカの先週末の下げ、欧州4カ国首脳会議の不発、ドイツの不動産会社融資への白紙撤回などの悪い材料が重なっています。良い材料である米国議会での可決、ドイツの預金全額保護などだけでは挽回出来ないほどに悪い材料が多いような気がします。この中で一番ダメージだとすれば、4カ国による首脳会議が不発に終わった事だと思います。近いうちに欧州も財政出動をしなければいけない状況に陥る可能性は高いと考えています。しかし、ドイツは財政出動は最終手段と考えているようで、市場はそれを許さないと思います。
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