*(1)の続きになります
北京オリンピックは、北京にインフラを確立するだけでなく、世界中に心理的に大きな影響を与えました。人民報電子版によると、2008年北京オリンピックが中国経済に与える影響は、6000億円人民元(日本円で約9兆円)であるとされています。この中で2500億人民元(日本円で約3兆7千5百億円)が間接的なものであり、2470人民元(日本円で約3兆7千億)が北京オリンピックの直接投資として使われました。しかし、これは中国の2007年GDP24兆9530億元(外務省HP:約350兆円)の1%程度の数字でしかありません。これでは中国経済全体に与えた影響はそれほど大きいと信じるのは無理があります。
しかし、世界中の人が北京オリンピックを見た事で、(数値に表れない)心理的な影響があった事が考えられます。ロイター通信(2008.8.25)によると、僅か16日で北京オリンピックは世界中の20億人以上に視聴され、1996年におけるアトランタオリンピックも上回っています。北京オリンピックは世界中で視聴されていたことになり、世界中の人々が北京オリンピックに強い印象を持った事は自然だったはずです。ビジネスにおいての"印象"は非常に重要で、北京オリンピックは、中国企業がビジネスを進める事をより有利にする可能性があります。
どうして中国企業にとって"印象"がとても重要であるかと言えば、中国の生産品は「安かろう悪かろう」というのが世界で定着してしまっているからです。このような印象の下においては、中国企業が世界で別の企業と競争していくのは難しくなってしまいます。仮に彼らが"安くて良い"商品を生産を開始したとしても、それがすぐに市場の評価に結びつきにくいのです。中国企業が外国に進出する前に、この状況を改善する必要がありました。
オリンピックの後で、中国経済が下降局面にあったときでさえ、中国は未だに経済成長を持続させるチャンスがあります。それは、北京オリンピックで建設された設備の数々が北京に残され、これが経済成長を助ける可能性があるからです。新華通信(08.08.08)によれば、中国政府は北京オリンピック設備の建築に2800億元(3兆8千億円)を使ったとされています。また、中国に対する印象は、北京オリンピックの後に随分と改善されました。例えば、チベット問題は北京オリンピックをさかえにして全く聞かれなくなりました。
実際の所では、中国は既に以前よりもかなりの変化を見せています。例えば、日本の財務省によれば、中国から日本への輸入品目が2000年の段階においては、衣料品と機械品目が30%で同じ前後でした。しかし、これが2008年の段階においては、衣料品が15%になったのに対して機械品目が45%になりました。この事から考えると、中国の製品がより機械化された事が考えられます。この理由からすれば、中国がもし更なる技術を持てるのであれば、中国は国際競争力を持てるのではないかと考えています。
結論を言えば、多くの経済学者は単に中国政府が出したインデックスのみを分析しています。GDPやCPIやPPIなどがそれにあたります。何故ならば、これらの数値を使って大衆を騙す事が簡単であるからです。そして、北京オリンピックの後の経済がこれらの指標を使って行われるので、アナリストは揃って"中国経済には未発達の株式市場やインフレ、人民元などのリスクがあるが、持続して発展するだろう"と同じような事を言っています。しかし、実際に中国経済が持続可能であるか考えるならば、それを形成する中国企業の技術力について考える事が欠かせません。何故ならば、中国経済の発展に伴って、中国企業が国際競争にさらされてくるからです。もし、多くの企業が国際的な競争に勝てないようであれば、中国は経済成長を持続させることは出来ないでしょう。
北京オリンピックで中国政府はリーニンを北京オリンピックの最終ランナーとして起用しました。それは、中国政府が既に外国に資金を流す事が中国経済の発展に欠かせないと考えているからです。しかしながら、中国企業は外国企業と競争していけるほどに技術力を持っていません。この結果として、私たちはオリンピック以後に中国経済が発展していけるかどうかは、中国企業の技術力が重要であると考えています。もし、中国企業が十分な技術を保有できないようであれば、その事は中国経済を崩壊させるリスクになり得るでしょう。
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