【特集】 アジアメディア上場廃止の検証-第一回

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東証がアジアメディアを上場させた背景

9月18日にアジアメディアが上場廃止になる事が正式に発表(アジアメディアホームページ上)されました。東証が中国第一号の上場としてマザーズに上場を決めてから僅か1年半あまりの上場廃止となります。どうしてアジアメディアは上場廃止になったのか?東証がどうしてアジアメディアを上場させたのか?そこで、ここではアジアメディアの上場廃止について詳しく検証してみたいと思います。

先ず、アジアメディアは2007年4月26日に中国本土企業として初めて東京証券取引所(東証マザーズ:2149)に上場されました。東証は今まで上場させて来なかった中国企業であるアジアメディアを上場させたのでしょうか?東証がアジアメディアを上場させた背景には、日本の市場に上場する外国企業が極端に減少してきたという事情があります。ここで最初にアジアメディアの上場審査体制に問題が無かったのかどうかを検証する意味で、アジアメディアを上場させた東証の事情から考えてみたいと思います。本当に東証は中国企業を扱う実力と能力があったのでしょうか?先ずはここから考えていきます。

東証に上場する外国企業は22社(2008年8月15日現在;東証HP)となっており、バブル崩壊直後91年の127社から100社以上減少しています。2000年以降にも毎年3~5社のペースで外国企業が上場廃止を行っています。東証に外国企業の上場が減少すれば、他の証券取引所と競う国際的競争力を失う事になり、東証は焦りを感じていました。2008年に入ってからも、東証に上場するバークレイズ(英)、ビーピー・ピーエルシー(英)、米ボーイングなどが既に上場廃止を決めています。一方の外国企業新規上場に目を向けると、2000年以降の外国企業新規上場は、中国系企業を含めても数社に留まっています。

このように外国企業の上場数が減少する中で、東証は競争力維持の為に様々な対策を講じようとしてきました。その中の1つが外国企業の新規上場数を維持していく為に、アジアなどの単独上場を行って行く事にしました。東証のホームページによれば「外国会社にも市場機能を十分提供できるよう、2000年以降においては、本国に上場していない外国会社も上場のターゲットと捉え、特に、アジア地域における資金需要旺盛な会社に焦点を当ててプロモーション活動を展開し始めました」としています。この結果として、単独上場外国会社(東証でしか上場していない)にチャイナ・ボーチー(北京)、アジア・メディア(中国本土)、ジャパンインベスト(ロンドン)、新華ファイナンスなどが上場されています。

しかし、他の市場で上場しない企業が東証に単独上場するという事で、審査は甘くならないにのでしょうか?東証のHPで公開されている上場外国会社一覧で見ると、チャイナボーチーや新華ファイナンスの登記上の国名は、中国ではなくて英領ケイマン諸島となっています。今回問題になっているアジアメディアについても英国バミューダ諸島が登記上の住所とされています。こうした登記上の住所を便宜上(税金対策など)業務が行われている国と別の国に置く事は良くあると言われています。しかし、こうした場所に登記が行われた場合には、会社の実態を掴む事が難しくなります。私が気になるのは、東証の外国企業で業務と関係の無い場所に登記が成されているのは、中国から上場されている単独上場の3社のみとなっている点です。今回、東証が上場廃止としたアジアメディアについてもこの点が問題になります。登記上の住所は、英国バミューダ諸島となっている事で、株主訴訟などの手続きが複雑になり、実際に訴訟を起こす事は難しいのではないかと見ています。

アジアメディアのように、外国市場に全く上場が行われた事が無いという単独上場を東証が受け入れる事は、審査が東証のみで行われる事を意味しています。しかし、私は東証は中国企業の上場実績自体がほぼ皆無の状況なので、中国企業の審査事態を行う事が出来なかったと考えています。担当した監査法人や証券会社は別として、東証自体は提出された資料を基にして、日本と同じような審査をする以外に方法は無かったと考えています。これはアジアメディア社長(当時)もインタビュー(2007年6月Nikkei中国ビジネス特集)で語っている事ですが、東証は監査法人や証券会社の意見よりも独自調査を重視している点があります。

私は、東証は中国企業の上場実績がほとんど無いにも関わらず、中国企業の単独上場企業を選んだ事が最大の問題であったと確信しています。東証がやるべきだったのは、中国企業の上場実績を十分に持っている米ニューヨーク市場にADRで上場されているような企業を東証にも上場させる事であったはずです。しかし、現在の東証では企業に対してそのようなメリットを与える事が出来ないので、結果的に東証が呼び込めるのは他の市場で上場出来ないような単独上場企業であった可能性があると考えています。分かりやすく言えば、困った東証がババを掴んでいるような状況になった可能性がある訳です。そして、ババを掴んだツケは騙された投資家が支払う事になります。

第二回に続く

東証に上場している外国企業(2008年8月15日現在)

東証に上場する外国企業

上場外国会社一覧
http://www.tse.or.jp/rules/foreign/list/index.html

次世代システム開発ベンダーの決定2006/12/19
http://www.tse.or.jp/news/200612/061219_a.html

中国ベンチャー、日本初上場を語る
崔建平・アジア・メディアCEO
http://www.nikkei.co.jp/china/interview/20070604cda64000_04.html

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このブログ記事について

このページは、ヒロポンが2008年8月24日 18:05に書いたブログ記事です。

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