日本のバブルは、1985年9月22日のプラザ合意の急速な円高による景気悪化拡大を防ぐ為に、政府が好景気に更に資金をつぎ込んでバブルを発生させた事が原因のひとつとされています。こういった状況でバブルが発生するのはどうしてかと言えば、ある業界がダメージを受けるからと言って、その業界だけ助ける訳にはいかないという政府が全体的な経済の下支えに動くからだと考えられます。これは政府の財政政策の限界とも言えるかもしれません。民主主義の下では、合理的であったとしても不平等政策は許されていないのです。
中国が経済発展を持続させる為に、景気を底支えするように財政支出を拡大させるという事が政府高官から表明されてニュースになっています。しかし、現状の中国経済の状況を見てみると、政府が積極的に財政支出を行うほど貧弱な状況とは言えません。ここで積極的な財政投入を行う事は、中国全体がバブル化してしまう可能性を生じてしまいます。ただし、中国の場合には日本よりも局所麻酔のように、経済の一部だけ、もしくは一部の企業だけ底支えする事が許される国家になっています。
繰り返しになりますが、中国が日本のようにバブル崩壊しない可能性が高い点を上げれば、中国は共産党主義?であるので、いわゆる「何でもあり」の政策を取る事がたやすい点です。例えば、ピンチに陥った国有企業などの救済などは、日本のように手順を踏まなくても「人民の利益になる」という理由だけで行う事が出来ます。ある意味で、この方が経済的に合理的な判断が可能な場合もあるという事でしょう。同様の理由によって、ある業界だけの救済のような、不平等な政策も可能になります。
ただし、国家として機能する場合には、局所麻酔が出来ない場合があります。例えば、金利や預金準備率の水準は(四川大地震など)、例外はあれど国家で一律に定めているものです。また、人民元の価値も国家が貨幣を発行する事で一律に決められています。中国の経済運営の難しさは、この一律でコントロールされる部分のバランスの難しさであると言えます。中国の消費者物価指数の上昇も目だっており、インフレが指摘される中においても、金利を安易に上昇させられないという事情がそれに当たります。
ひとつは、金利を上昇させることによって、海外からの資金が流れ込んで、人民元高を加速させて輸出企業に打撃を与えるという考え方です。一方では、金利を上昇させなければ、インフレはおさまらないと考えられています。こうした中で物価の安定を最優先させたい中国政府は、人民元高を容認するのではないかという観測の方が専門家の間では強くなっています。これに関連して、実質預金金利が0%前後で低迷し始めており、実質貸出金利はマイナスになっており(みずほ月報より、金利の切り上げは既に避けられない状況になっています。
また、金利の引き上げの問題点は、金利の引き上げを行う事によって国債価格が暴落してしまうという事があります。最新のデータ(中国の国際市場について2008年6月)では、中国の国債保有の58.7%が商業銀行となっており、保険会社が5.8%となっています。国債の暴落は、国債を多く保有している銀行に含み損を抱えさせる事になり、株式市場にとってもマイナス要因になる可能性があります。
グラフ参照:中国金融経済データ月報B
http://www.mizuho-ri.co.jp/research/economics/pdf/china/B0807.pdf
中国の国債市場について
http://www.tcf.or.jp/jp/data/publications/CCMR1-4_Win2008_06.pdf
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