アジアメディアのレポートもようやく最終回にする事が出来ました。最終回は時間が無くなってしまって、整理できないまま終えました。合計1万字なので、小さな論文ぐらいになっていれば嬉しいです。見てくださった方がアジアメディアのような最悪の銘柄を購入せず、しっかりとした銘柄を購入して利益をあげる事を願います。
どうすればアジアメディアの実態を見抜けたか?
東証は、アジアメディアを東証の審査基準で審査した上で上場させたわけですが、僅か1年半あまりで上場廃止になるところを見ると、上場審査が適正であったかどうかに疑問符が付くのは当然です。最終章では、東証に上場を果たしたアジアメディアの実態を見抜く方法が無かったかどうかについての検証を行った上で、投資する際にどのような事に注意すれば良いかを考えてみたいと思います。ソースとしては、アジアメディア社の上場資料である目論見書と、情報開示がなされるべきアジアメディアホームページとを使用したいと思います。どちらもウェブ上で公開されている(2008年8月25日現在)もので、誰でも見ることが出来ます。
アジアメディア社ホームページ
http://www.asiamedia.jp/jp/
アジアメディア目論見書(みずほインベスターズ証券)
https://www.mizuho-isec.co.jp/prospectus/ipo/0121490000000200703000201.pdf
実は、目論見書を見ると様々な事が分かるので、この目論見書を見た時にアジアメディアの実態を見抜く1つのチャンスではありました。例えば、目論見書にアジアメディアの注意事項として、英領バミューダ初頭に関する法律上の注意が数ページに渡って掲載されています。例えば、目論見書28ページに英バミューダに関する法律に関しての言及もあり、そこには「バミューダ法上、一般に株主がクラスアクション訴訟および株主代表訴訟を提訴する事は出来ません」と明確に書いてあります。英バミューダ諸島に登記している会社に対しては、株主訴訟はかなり困難であると分かります。ただし、経営者などが会社に損害を与えた場合に、会社自体が経営者を訴える事は認められています。しかし、東証の要請にも応じずに、今の所はアジアメディアは崔建平(前CEO)を訴えていません。そこで東証が崔建平(前CEO)を刑事告訴した事は前にも書いたとおりです。
これは言い換えた場合に、アジアメディアを購入する場合には、アジアメディアが株価急落や上場廃止に見舞われた場合には、株主は損害賠償請求は非常に困難なので失われたお金は諦めてくれというような条件に近いものと解釈出来ます。もし、登記上の住所が日本の会社であれば、例えば「ライブドア粉飾決算事件」では、ライブドア本体や元経営者の堀江氏や関係者に対してライブドア個人株主が総額716億円の損害賠償(2008年7月末現在)を起こしています。アジアメディアの事件は、外国企業へ投資する難しさを浮き彫りにしました。
次にアジアメディア社の日本語ホームページを見ると、日本語での情報開示はそれほど多くない事に気が付きます。このホームページ上だけでは、業務内容についての紹介はほとんどされておらず、中国でどのような会社と付き合いがあり、どのような業務内容を行っているかを伺い知る事は困難です。このあたりは、情報開示に慣れていない中国企業の情報開示の姿勢が感じられます。また、このページ上部にある中国語から中国語ホームページに行くと、ほとんどページが作成されていない事に気が付きました。あまりの情報の少なさに別の中国語ホームページがあるのかと思って、中国語のアジアメディアも検索しましたが見当たりませんでした。このホームページから受けた印象は、日本語の情報も少ない上に、中国語の情報はほとんど無いという事でした。
以上のように簡単ではありますが、個人投資家であっても、注意深く資料を見れば、アジアメディアの実態を見抜くことは出来たと思います。ただし、機関投資家であっても直前までアジアメディアの実態を全く見抜けずに株を購入した会社があります。大量保有報告書(5%ルール)によると、フィデリティ投信が07年6月3日に5.51%を所得しており、アジアメディアの2008年第1四半期決算説明資料でも第4位の株主として紹介されています。しかし、08年06月03日になって、アジアメディアの子会社の保有する口座に対する担保権が執行された事が発表ます。06月05日に情報を確認したフィデリティ投信はアジアメディアの保有割合を5.51%から3.90%まで減らして、その後も順次売りを出したものと考えられます。
2008年1期決算(フィデリティ投信の掲載もあります)
http://www.asiamedia.jp/jp/news/Asia_Media_2008Q1_JP_FNL_HQ.pdf
大量保有報告書閲覧ページ(金融庁)
http://info.edinet-fsa.go.jp/E01NW/
コメントする